中小企業におけるデジタル化の課題は広く議論されていますが、現実的には限られた人員や予算の中で「ひとり情シス」に頼らざるを得ない状況が多く見受けられます。私はこれまでの経験を基に、シリーズ企画として「ひとり情シスを救いたい」というテーマで、関係者に向けたアドバイスや応援の言葉を綴ってきました。

前回は「IT担当者の陰の必須スキルはイベント幹事」であると解説しましたが、今回は少し趣向を変えて、IT担当者と料理に関する雑学的なお話をお届けします。

IT担当者に料理好きが多い理由とは?

実は、IT担当者には料理好きが多いという事実をご存じでしょうか?確かな統計があるわけではありませんが、業界内ではしばしば確認される現象です。ここで言う「料理好き」とは、「必ず家で料理を作る」という意味ではなく、「料理作りに興味がある」という意味合いです。

その理由は比較的シンプルです。料理はクリエイティブな活動でありながら、計画的な段取りと細やかなタスク管理が求められる作業です。見た目はアナログな作業に見えるかもしれませんが、手順をアルゴリズムに従って組み立てるという点で、デジタル的なプロセスと共通しています。そうしたロジカルかつクリエイティブな側面が、ITエンジニアの業務と重なる部分が多いのです。

さらに個人的な見解ですが、IT業務においては、男性よりも女性の方がこの料理的なアプローチに適しているのではないかと感じています。特に管理業務においては、女性の方が問題意識が高く、運用と管理の役割分担がうまく機能する可能性があります。

実際、企業のIT担当者は男性が多い印象を受けますが、私の経験では、運用業務を男性が担い、管理業務を女性が担当することで、全体の業務がスムーズに回るケースが少なくありません。特に中小製造業においては、女性をIT管理部門に登用することが、組織のデジタル化を加速させる可能性があると考えています。

私のコンサル先でも同様の取り組みを進めており、女性が台帳や履歴管理、マニュアル整備などの管理業務を担い、男性がその運用をサポートするという体制が、うまく機能している事例もあります。中小企業におけるIT管理の改善策として、ぜひ一考してみてください。