【DXコラム】⑧AIが変革する「教育」の未来—なくなる仕事ではなく、進化する教育方法

AIに関する情報が多く取り上げられる中、「AIによって無くなる仕事」というテーマがしばしば取り上げられます。この話題は一見興味を引きますが、実際には「なくなる」というよりも「変革する」と考えたほうが正確かもしれません。特に「教育」におけるAIの影響を考察してみたいと思います。

「教育」の定義とAIの影響範囲

まず、「教育」という言葉の定義を、ChatGPTに尋ねてみました。

教育とは、知識やスキル、価値観などの情報を伝達し、個人の成長や能力向上を促進するプロセスを指します。学校や大学での学習だけでなく、家庭や職場での学びも含まれ、社会の進歩に欠かせない役割を果たします。知識獲得や技能習得、価値観形成など、さまざまな側面があります。

この定義からもわかるように、教育は非常に広範で多岐にわたるものです。この中でAIによって大きく変わる可能性があるのはどの部分でしょうか？以下の点を整理してみます。

AIやテクノロジーが進化すべき領域としては、まず「ググればわかるような知識の習得」が挙げられます。社会人教育においても、AIの活用が進むことで、効率的な学習方法が提供される可能性があるでしょう。

次に、教育方法についての議論です。「リアルな集合教育」と「オンライン教育」のどちらが良いかという議論はよくありますが、これは一概にどちらが優れているとは言えません。学びたい内容や求める結果によって適切な方法は異なります。

例えば、私が行っている研修やセミナーは現状、リアルで行っています。しかし、本当にリアルで行う必要があるのかと考えると、オンラインや一方通行の形式でも十分な場合もあるのではないかと思います。

講師の立場としては、オンライン形式でも問題ないと感じます。しかし、受講者の立場としてはどうでしょうか？オンラインでの学習が本当に効果的かどうかは疑問が残ります。知識を学ぶだけなら、熱量は必要ないのかもしれませんが、習得度を確認する手段が必要です。

しかし、参加者でグループ演習などアイディア出しを協議する場合などは、「オンライン教育」より「リアルな集合教育」の方が有利です。

私自身の経験では、短尺のYouTube動画（TikTokを含む）が効果的だと感じています。これらは著名な専門家が監修した目的を絞った動画で、自己研鑽のために活用しています。この形式を「マイクロラーニング」と呼ぶそうです。

AIはこの分野で大いに活躍できます。例えば、学ぶ項目のカテゴリをAIが作成し、それを短尺動画で学習する形式です。隙間時間を活用して効率的に学べる点が魅力です。

AIによって、今後は「ググればわかるような知識」をAIが選び出し、丁寧に解説する形式が主流になるかもしれません。これは対話型AIの真骨頂とも言えるでしょう。さらに、資格取得などの教育においても、AIとの親和性が高いため、今後の教育方法に大きな影響を与えることが予想されます。