デジタル業界で仕事をしていると、必然的に「英語由来のキーワード」や「アルファベット3文字ワード」を使う機会が増えます。
たとえば、Web、DAO、NFT、ブロックチェーンなど、ネット上でよく目にする言葉がその典型です。
一方で、こうした言葉に対して時折見かける批判があります。
「日本人なら横文字を使わずに日本語を使え」
この意見を主張する方の中には、「知識をひけらかしているように見える」と感じる人もいるようです。また、場合によっては「マウントを取る目的では?」と受け取られることも。
しかし、このような意見には一理あるものの、横文字を頻繁に使う側にも明確な理由があります。
横文字キーワードの利便性と課題
英語由来のキーワードは、確かに流行り言葉としての側面がありますが、それだけではありません。日本語に翻訳して説明すると、むしろ理解が難しくなることもあります。また、概念をコンパクトに表現するには、横文字が非常に便利です。
たとえば、「DX」という言葉を日本語に置き換えるとどうなるでしょうか?
- DX(Digital Transformation) → デジタル変革
- DAO(Decentralized Autonomous Organization) → 分散型自律組織
- NFT(Non-Fungible Token) → 非代替性トークン
これらを日本語に訳して説明しても、かえって抽象的に感じたり、わかりづらくなったりする場合があります。結局のところ、「概念としてざっくり理解する」のが現実的な選択肢になるのです。
専門用語への苦手意識を超えるには
実は、デジタル用語だけでなく、他の分野でも同じような壁があります。現在、私は「投資」について学んでいますが、そこで遭遇する専門用語もまるで呪文のように聞こえます。
たとえば:
- 為替スワップ
- 逆ざや
- ショート
- ナンピン
これらの言葉は、経験者にとっては当たり前のものですが、初心者やこれから学ぼうとしている人にとっては「思考停止」を招きかねません。
日本語訳では解決しない問題
デジタル用語も同じです。「専門用語禁止!」という空気の中で、すべてを日本語に置き換えたとしても、結果として混乱を招く可能性があります。さらに、詳しく説明しても、そもそも興味がなければシャットダウンされてしまうことも。
結局のところ、専門用語はその分野に慣れていない人にとってはハードルが高いものです。
一方で、時間とともに市民権を得る言葉もあります。たとえば「WiFi」や「スマホ」など、細かい技術的な内容を知らなくても、言葉としては多くの人に認識されていますよね。
結論:専門用語はあくまで「通過点」
横文字キーワードに対する苦手意識や批判は理解できます。しかし、それらの言葉が持つ「簡潔さ」や「便利さ」を無視するのは、少しもったいないと感じます。
今後、市民権を得た言葉が増えれば、デジタル用語に対する拒否感も薄れていくでしょう。大事なのは、必要に応じて丁寧に説明しながら、興味を持ってもらえるよう工夫することではないでしょうか。