病院のデジタル化が進む中、「こんなシステムが展開できたら、多くの人々が助かるのではないか」という観点で、少し規模感の大きなシステム化アイデアを提案します。今回は、地域病院に焦点を当てた病院予約システムのSaaS(クラウドサービス)化についてお話しします。


現状の大病院と地域病院のギャップ

先日、大病院で検査を受けた際、院内オペレーションが高度にシステム化されていることに気付きました。再診時には診察券を入口の機械に通すと、その日の予定や移動指示が自動的にプリントされ、流れるような診療が進みます。最後には診察券を支払い用の機械に通すだけで会計が完了。患者情報が院内でシームレスに共有され、入館から退館までがスムーズに運ぶ仕組みは、非常に効率的でした。

一方、地域病院では、まだ電話や対面での予約、待合室での順番待ちが主流のところが多いです。特に高齢の医師や患者が多い地域では、デジタル化が進んでいない現状が見受けられます。


SaaS型予約システムの可能性

地域病院にも簡単に導入できる「ミニ版の予約システム」を構築することはできないでしょうか?大病院のような大規模なシステムは不要で、次のようなシンプルな機能に特化したシステムです。

  • 初診の場合
    クラウド上のシステムにログインし、診察可能な空き時間を確認して予約を入れる。
    予約時間に病院を訪れる。
  • 再診の場合
    前回予約した時間に病院を訪問し、簡単にチェックイン。
    診療後に次回予約を入れる。
  • 診療後の支払い
    受付で支払いを済ませることで完了。

イメージとしては、美容院やサロンの予約システム(例:ホットペッパービューティー)のような、汎用的で扱いやすいものです。


高齢者や高齢医師への配慮

「デジタルが苦手な高齢者が取り残される」「高齢の医師が反対する」といった懸念も予想されます。そのため、従来の予約方法(電話や対面予約)との併用を前提とすれば、導入へのハードルは下がるでしょう。

実際、大病院ではすでに高齢患者が多い中でデジタルシステムが稼働しており、一定の実績があることを考えれば、地域病院でも同様の展開が可能だと考えられます。


普及のカギは「低価格・高サポート」

このようなSaaS型予約システムを普及させるには、以下のポイントが重要です:

  1. 低価格化
    システム導入に際し地域病院の負担を軽減するため、リーズナブルな料金設定にする。
  2. サポート体制
    導入支援や運用サポートを手厚く提供する。
  3. 国の後押し
    マイナンバーカードや医療DXの一環として、補助金や支援策を整備する。

既に多くの病院で活用もしておりますがまだまだ限定的です。
システムの乱立を防ぐため、大手企業が中心となって統一的なプラットフォームを開発・提供し、エース的な存在を目指すことが求められるでしょう。


まとめ

地域病院のデジタル化は、医師や患者双方の負担軽減に寄与する可能性を秘めています。しかし、これを実現するには、システム導入コストの削減や、高齢者に配慮した運用方法の工夫が必要です。大手企業の技術力と国の支援が結集することで、地域の医療がより効率的かつ便利になる未来を期待したいと思います。

医療現場に新しい風を吹き込む、この「格安SaaS型予約システム」が、多くの地域病院で活躍する日を願っています!