前回は私が前職で経験した内容について懐古しました
今回の内容はもう少し具体的に落とし込んだ内容についての続編です。
お客様クレーム処理のお仕事術
一般的な製造業としての事例です、サービス業にも応用できそうです。モノを生産してお客様に届けるビジネスをしていますと一定数の「不具合製品」と言うのが発生しますよね。
一般的にいう所の「クレーム対応処理」です。
顧客や営業を通じて「不具合品のクレーム連絡」が入り品質管理部門がその内容を受け取り関係部門で対応策、再発防止策諸々お客様に報告して事を納めます。(中には補償費や対策対応もあり)これらは一連のお仕事なので、どこの企業でも行っている普通の業務です。
一定数の量産を行う中でppmオーダーの不良は仕方ない部分もあります。これが人的、設備要因、材料要因、客先要因、技術的要因と多岐に渡るのでクレーム処理は非常に気を使う、企業に取っては非常に優先度の高い業務です。
この活動を分解して見ます。
- 顧客で発生したクレーム、顧客は明確な回答と対応策を待っている
- 社内では関係者で原因(要因)追求して真因を探し対応策を協議
- 顧客に報告してお許しが出れば継続して次に進む
このクレーム業務の目的は
- 顧客への真因と対応策の報告
- 社内では再発防止策の検討
「迅速な報告」と「社内のフィードバック」がメインの目的です。細かく言うと、過去事例や今回のトラブル内容も含め台帳化して残す必要もあります。ここまでが大括りのクレーム処理の目的ですがここに多くの人員を抱える大手企業になりますと、それ以上のお仕事が生まれて来ます。
- クレーム件数などの目標管理
- KPI指標などの経営報告用管理
- FMEA(故障モード影響解析)対応
- 関係部署への展開報告
- クレーム対策費用の算出諸々
これらは決して不必要とは言いません。改善活動や継続的改善(PDCA)には必要かもです。でも、考えて見て下さい後段の業務は本来の目的とは少し離れて誰のため?のお仕事と考えると自社都合の管理内容になります。
これが「仕事に仕事を重ねる大企業のお仕事術」につながります。
そうなると、お客様は蚊帳の外で社員は社内政治に引っ掻き回され「クレーム撲滅は企業存続の大テーマ」のごとく全員が少し麻痺状態になります。
一旦頭を冷やしましょう。
その結果、これらの大事業を毎月、クレーム発生の際に行う訳です。仕事量も関わる方も増えるので、当然次に控える処理の自動化(システム化)と言う流れは当然の事になりますよね。
正式なプログラム開発(外注)までは予算も付けられずに事務局が苦労してExcel台帳処理をVBAマクロ等で作り込みます。しかもそこに盛り込むのは「本来の目的」+「社内の改善用」と複雑多岐に渡ります。
そこで目的と手段が混在していつしか社内調整の仕組みがメインとなって本来のクレーム対応の目的を見失い、システム化だけが先行して来ます。
その結果、統計もKPIなどの本質も知らない関係者に向けて様々な統計グラフやKPI指標が乱立し、単なる数値ゲームの定例会が今日も何処かで日々行われている訳です。
これは必要悪でもあるのでこれ以上の言及や対応策は無いですが
個人的に少し悪態をついて締めにします。
数十年前の時代で有ればともかく、技術力、設備性能、検査力、人の作業性諸々は格段に向上していると思われます。その中で統計的にppmオーダーの不良は確実に発生します。これは様々な機械誤差、ポカミス、検査誤差、材料誤差はありまだまだ改善出来る部分と改善限界線の部分はあります。
- 明確に改善出来る部分は即改善とフィードバック
- 改善限界線の部分はテーマを決めて継続的改善
と同じクレームでも一緒くたに考えずに分けて考える必要があります。それを分けずに同じ指標の中でKPIだなんだのグラフだけを報告されても「あ〜そうなんだ」「中々減らないね」的な的確な指示など出てこない活動を延々としています。
まとめた指標は本来の目的を薄め、形骸化した単なる自己満足レベルになり得ます。それを知らずか今日も何処かで担当者は資料作りに励みます。その結果「脱Excel、属人化」と言われたのでは浮かばれません。
そんな思いから生まれたのが
「まちの総務サービス」の一環で「企業向けデジタル推進サポートプログラム」にて
「あなたの困ったは解決出来る誰かがいます」
一人で悩まずに同じ悩みや課題を持った外部の人と情報を共有して一緒に対応策を考えて行く共助の世界を作りましょう。
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