ネットニュースで報じられた大手企業の事例によれば、AIを活用した業務効率化が進んでおり、議事録作成においては約7割の時間短縮が実現されているそうだ。これは良い方向性のように思える。

しかし、その報道から1時間かけて議事録を作成することに驚きを覚えた。議事録作成に1時間もかかるのか?と疑問を感じた。

日本は特に会議好きとして知られている。しかし、会議で何かを決めるというよりも、決めるための議題を考え、議論する内容を検討し、そのための資料作成に時間を費やし、部門調整に時間を費やし、集まって資料の説明に時間を費やし、結局は次回に持ち越しになる…という状況がある。

会議自体が手段ではなく目的であることや、議事録作成も非効率な課題であることが示唆されている。多くの人が集まって日々会議調整をし、そして会議を行い、最後に議事録を作成する。この議事録作成に1時間という事実を考えると、この作業は比較的若手に任せられている傾向もある。

そこで、考えてみた。若手に任せられるこの議事録作成は、その1時間がかなり無駄ではないか?
そして、それをAIで7割削減できるのではないか?

AIを活用した議事録作成の手順は以下の通りである。

  • 手順1:音声認識ソフトをインストールする
  • 手順2:会議を録音し、文字起こしを行う
  • 手順3:テキストを前処理する
  • 手順4:要約し、キーポイントを抽出する
  • 手順5:議事録をドキュメントファイルにまとめる
  • 手順6:人間によるレビューと修正を行う

しかし、この技術の発展は単なる便利さだけではない。何かもっと先にできることはないだろうか?

そもそも、会議自体を効率化しないのか?議事録も全てをAI要約に任せるのではなく、要点をサッとまとめて10分以内に仕上げる努力はないのか?

まずは、議事録に1時間もかけている現状やその環境に疑問を持つべきだろう。

しかし、長年の慣習は簡単に変わるものではない。だからこそ、テクノロジーに任せることも一つの手段となる。

最後に付け加えるが、議事録の作成時間をAIで短縮すること自体がDXとは限らない。AIを使わずに、議事録の作成時間を半分以下に削減するか、または無駄な議事録を廃止するような変革を行うことが「DX」であると認識すべきだろう。