シリーズ「中小製造業のシステム部門化への道」では、前回「IT担当者に求められる必須スキル」についてお話ししました。
単なるIT担当者から戦略的IT担当者への道
今回は、具体的な進め方として「単なるIT担当者から戦略的IT担当者への道」について解説します。
デジタルに興味を持ち、さまざまなスキルを磨いているのであれば、単なるPC担当(IT担当者)ではなく、経営者とタッグを組み、参謀として活躍してみませんか?仰々しく感じるかもしれませんが、国際的にも国内でも、そしてあなたの会社でも求められている可能性があります。
多くの経営者はデジタルが苦手でも、経営者としてはプロです。事業の発展に伴い、デジタル化の必要性を感じていますが、不安も抱えています。
- 苦手分野への不安
- 見えにくい費用対効果
- 気軽に相談できる戦略パートナーの不在
こうした経営者の不安に応える人材は外部にも多く存在しますが、身近で一緒に考えてくれるパートナーの存在は大きいです。気軽に相談できる社内のパートナーとしてのポジションを築くことが重要です。それには時間と経験、そして信頼関係が必要です。
具体的な進め方のポイント
- 経営者目線で物事を捉える
- 批判的立場から実行側に立つ
- コスト意識を持つ(将来投資か短期的な費用対効果か)
- 経営者と一緒に夢を語る関係性を築く
技術も大切ですが、経営者に寄り添い、相談を受けられる人脈形成と信頼関係が不可欠です。多くの方が「自分には無理だ」と思うかもしれませんが、じっくりと相談を重ねることで、前向きな経営者も少なくありません。
経営者側からも「我が社にはこうした人材がいない」という嘆きが聞こえてきます。これでは前に進めません。このような現場のリアルが「中小企業でDXが進まない」最大の理由です。
どちらが歩み寄るかは永遠のテーマですが、複数社で実績を出しています。まちの総務の出番です。複雑に絡み合った関係をほぐすために、利害のない第三者の専門家を活用することが重要です。
経営者にも意見を聞きますが、忖度はせず、無駄な投資を抑え、フラットな立場で接します。担当者に対しても不満や愚痴を聞きながら、難しい課題に挑戦する実務提案型体質に変革してもらいます。
この歩み寄りがない限り、責任転嫁や不満だけが残り、一歩も前に進みません。デジタル化を外注に丸投げする体質から脱却するために、経営者、担当者、そして第三者の「まちの総務」がうまくタッグを組むことで、確実に一歩前に進むことができます。
まずは底上げして、一緒に夢を語りましょう。