企業研修などでよく挙げられる課題の一つに「社内のコミュニケーション」があります。これは、経営者から管理職、一般職、新入社員まで、あらゆる階層で共通しています。
よくあるのは、「伝えたいことが伝わらない」「伝えたつもりが伝わっていない」という状況、そして「言った・言わない」という問題です。仕事の場では、「空気を読んでほしい」とは言えませんよね。
これにはさまざまな要因があるかもしれません。
「伝えるのが苦手」「理解力が乏しい」「文脈を読み取れない」といったことが原因になることもあります。長期的には「5W1H」を改めて社員教育していく必要があるでしょうが、日常の業務の中でこれを実践するのは難しいこともあります。
異文化コミュニケーションから学ぶ解決策
そんな中、外国人労働者を派遣している会社の方と話していると、一つの解決策が見えてきました。日本人どうし、日本語でも伝わらない内容が外国人に伝わるのか?と思われるかもしれませんが、実は伝わるのです。むしろ、異なる言語間でのコミュニケーションにおいて、「いかに正確に伝えるか」が重要になります。
ポイントは、以下の2つです。
- シンプルに、端的に伝える
- 注意事項も絞ってシンプルにする
例えば、複雑な設備操作や材料加工の指導は難しいかもしれません。しかし、作業を細分化し、順序立てて教えることで理解を促すことができます。特に、外国人労働者が多く働く製造業では、この方法が重要です。ここで重要なのは、無駄な修飾語を使わないことです。
この方法は、相手が外国人であろうと日本人であろうと有効です。まずは「シンプルかつ端的に」伝えることを心がけ、最低限の情報でも「伝えた=伝わった」状態にしましょう。そして、その内容に修飾語を加えてスムーズなコミュニケーションを図れば良いのです。
日本語がわかるからといって、感覚で理解できると考えるのはやめましょう。伝えるためには、伝える側の努力も必要です。