結果論であり、後から様々な解釈が可能ですが、事実に基づいた分析を行います。
私が前職にいた頃、パーソナルコンピュータがまだ普及しておらず、企業のシステムといえば、大型コンピュータ時代の前の時代でした。大手企業や行政機関、銀行などは、富士通やIBMなどの大手コンピュータ企業が主導し、開発言語も主流が「COBOL」などでした。
大手コンピュータ企業が主導権を持っていた時代でした。その成功体験からか、国内のコンピュータ技術の発展は停滞していたのかもしれません。
そして、パーソナルコンピュータが普及し、一気にグローバル化が進むと、ハードウェア分野の日本企業は外国勢に大きく差をつけられるようになりました。
ソフトウェア分野では、大手企業や行政機関、銀行などでは、様々なロビー活動もあり、ITゼネコンと呼ばれる企業が主導し、新規参入が困難な複雑な構造が形成されました。
このような状況下では、大手企業や行政機関、銀行などの保守的な顧客は安定性を求め、過去の成功を否定して新たな技術に挑戦することはありません。そのため、大手ITゼネコンも新技術ではなく、過去のレガシー技術の継承に重点を置いています。
その結果、「クラウド議論」などは蚊帳の外となりました。国内でクラウド企業が育ちにくい状況下では、必要な時に外国のクラウドサービスに頼ることが増えています。
今更、過去を嘆いても仕方ありません。しかし、同じ過ちを繰り返すことは避けなければなりません。同様の議論は、マイナンバー制度やシェアリングサービスなどでも見られます。既得権益を主張するつもりはありませんが、次世代のために道を開け、選択肢を狭め無いでとせつに願います。