「まちの総務」を通じてこんな質問が
ある企業のIT担当者からの問合せで

「社内のOA関連の問合せ情報を共有するのに最適な方法は」

はい、よくあるケースですね。一般的には「社内の問い合わせFAQシステム」と言われる内容です。

PCに関して苦手意識がある方も多く、ハードやソフト、環境設定など、問い合わせ内容は多岐にわたります。「ネットワークが繋がらなくなった」「ファイルが消えた」「パスワードを忘れた」といった軽微な内容からシステムトラブルまで、社員数やPCの台数が増えると問い合わせ数も比例して増えてきます。

それでも、PC黎明期(登場初期)に比べれば、PC設定は楽になりトラブルも減ってきました。最近は、マシントラブル対応よりも、利用者個人のスキルや課題に対する問い合わせが増えている印象です。

そんな中で「社内のOA関連の問い合わせ情報を共有したい」というニーズが生まれます。想定される内容としては、過去のトラブルやヘルプ内容をナレッジ化し、設定方法のマニュアル化を進め、軽微な設定は個人で対応する方法が考えられます。

ここでは、考えられる対応策を順番に解説します。

Excel上に問い合わせ情報を記載して共有

Excelシートに「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうした」を記載し、情報を共有します。情報がたまった段階で、カテゴリ分けをして見やすく整理し公開することが重要です。この方法は特に費用がかからず、情報の共有と対応状況の明確化に有効です。ただし、担当者が入力を怠ると情報が残らないというデメリットがあります。

専用のFAQシステムを導入して運用

Excelシートで情報がたまった段階で、専用のFAQシステムを導入するのがベストです。Web上で専用システムを導入し、「まずはここを見てください」という流れを作ることで、担当者の負担軽減や情報共有の利便性が向上する可能性があります。

対話型AIを活用したチャットボットの導入

FAQシステムの理想形は対話型AIを活用したチャットボットの導入です。過去のPCトラブル情報などは共有ナレッジの宝庫です。課題としては、問い合わせ者の質問スキル「質問力」が求められる点がありますが、時間をかけて改善することで、次のアクションとして最適解となるでしょう。

以上のように、順序立てて進めていくのが効果的です。有償のFAQシステムもあり、「まちの総務」でも汎用型のFAQサイトを公開していますので、参考にしてみてください。

最後にもう一つアドバイス

FAQ情報のナレッジ化を進めると、次のような傾向が見えてきます。

  • いつも問い合わせやトラブルを起こす特定の方が判明
  • IT担当者以外にも回答(対応)できる協力者ができる
  • 軽微な問題は自己解決できる環境づくり(まずは自分で調べる)

このようなメリットもあり、これもデジタルの力を活用したDXの一環といえるでしょう。FAQシステムの導入により、利用者が自ら動く環境ができることがDXと定義できます。

「Let’s DX」