デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIの進展により、効率化が進むとされる銀行窓口業務。しかし、完全な合理化にはまだ時間がかかりそうです。先日、少し興味深い体験をしたので、今回はその事例をシェアしたいと思います。
古い通帳が呼び起こした「解約行脚」
ある日、書類整理をしていると、昔使っていた複数の銀行通帳が出てきました。それぞれにわずかな残高がありましたが、放置しておけば手数料で消えるだけ。そこで重い腰を上げ、一気に複数口座の解約手続きを行うことにしました。
普段は利用している銀行にしか行かないため、今回は地銀、信金、労金など複数の金融機関を横断的に比較する貴重な機会となりました。
解約手続きで見えた各行の「カラー」
解約手続きはどの銀行でも基本的に窓口対応。相変わらず複写式の用紙に手書きで記入し、印鑑を押すというアナログ作業が続きます。ただ、ある銀行では印鑑が不要で、簡単な用紙に記入するだけで手続きが完了。他の銀行では、複写式用紙に何度も記入し、修正印が必要になることもありました。この違いによって、各行の手続き時間には30分以上の差が生じました。
また、引っ越し前に利用していた銀行では、キャッシュカード紛失や印鑑の不一致により以下の追加手続きが必要でした。
- 支店変更および通帳再発行
- キャッシュカード紛失手続き
- 印鑑変更手続き
これらの対応に多くの書類記入と身分証提示が求められ、1行で1時間以上かかることも。全体で1日がかりの行脚となりました。
「まちの総務」として感じた課題と提案
こうした手続きの差は、運用ルールや業務プロセスの違いに起因するものですが、「まちの総務」的な視点では、効率化されている銀行の方法を他行にも展開することで、業務全体が最適化されるのではないかと感じました。行員の負担軽減や顧客の利便性向上につながるはずです。
DXやAIが浸透すれば、さらに効率的な手続きが可能になるでしょう。しかし、金融機関という堅い業界では、完全なデジタル化にはまだ時間がかかりそうです。その間、統一的な業務プロセスやシステム導入といった「汎用化」を進めることが必要ではないでしょうか。
窓口行員のホスピタリティとその裏側
どの銀行でも窓口の女性行員の方々は丁寧で笑顔の対応をしてくださいました。しかし、旧態依然とした業務フローの中で、彼女たちもストレスを感じているのではないかと思います。マイナンバーやデジタル技術の普及により、手書き書類から解放される日が早く来ることを願います。
まとめ:「レッツDX」で業務の未来を切り拓こう
銀行窓口業務のデジタル化や業務統一化が進めば、顧客と行員双方にメリットが生まれます。「まちの総務」的な発想で、現場に最適な仕組みを模索しながら、DXを推進していく必要性を改めて感じた一日でした。
未来の効率的な銀行業務に期待しつつ、「レッツDX!」を合言葉に前進しましょう