
以前、「質問力」について以下のようなブログを書きました。
企業のデジタルサポートやDX研修を通じて多くの方と接する中で、「論理的思考が苦手」という方が一定数いることに気づきました。
論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、物事を体系的に捉え、筋道を立てて考える力のことです。さらに噛み砕くと、異なる立場や専門性、環境にいる相手と共通の物差しで道筋を作り、頭の中の景色をすり合わせる能力とも言えます。
論理的思考が苦手な人の特徴
具体的に、どのようなことが苦手なのかを挙げてみましょう。
- 物事を体系的に説明するのが難しい
- メーカーのサポートセンターにトラブル内容を的確に伝えられない
- 自分の疑問が漠然としすぎていて、的を射た質問ができない
- 対話型AI(プロンプト)に適切な質問ができない
こうした課題に心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
では、なぜ論理的思考が苦手になってしまうのでしょうか?
- これまで論理的思考を学ぶ機会がなかった
- 生活の中で自然と身につくスキルではない
- 専門知識として学ぶべきものと認識されていない
- 仕事で求められる機会が少なかった
理由はさまざまですが、いずれにしても論理的思考はあらゆる場面で必須のスキルです。しかし、それを測る明確な指標がないため、苦手意識を持つ人が多いのが現状です。
論理的思考が弱いと問題解決力が低下する
論理的思考が不足すると、次のような問題が生じます。
- 問題解決力が低下する
- 解決の糸口が見つからない
- 課題を先送りしがちになる
このような状況では、いくら「デジタル化だ!DX改革だ!」と声を上げても、現場には響きません。DXとは、現状の課題を克服するための手段です。そもそも課題の特定や解決に向けた論理的な思考力が備わっていなければ、DX推進が単なる掛け声で終わってしまう可能性が高いのです。
アルゴリズムで問題解決力を養う
そこで、問題解決力を養う手段として「アルゴリズム」の活用を提案します。
アルゴリズムとは、ある問題を解決するための手順や計算方法のことです。プログラミングの世界では、アルゴリズムを正しく理解し、適切に記述することが重要ですが、この考え方は日常生活や仕事にも応用できます。
アルゴリズムを学ぶことで、以下の3つの力が養われます。
- 問題を分解する力
- 問題を小さな単位に分解し、それぞれを解決する手順を考える。
- 例えば、プロジェクトの計画を立てる際、全体の目標を決めた上で、達成のためのステップを分解する。
- 論理的に考える力
- 解決手順を論理的に組み立てる。
- 正しい順序で実行しなければ、正しい結果が得られないため、順序立てて考える習慣が身につく。
- 効率的に処理する力
- より短時間で問題を解決する方法を考える。
- アルゴリズムでは計算量(処理の効率)が重要であり、効率的に進めることが求められる。
アルゴリズムを実践する
アルゴリズムを学ぶだけではなく、実際に使って問題を解決する経験を積むことが重要です。
- 日常生活や仕事で、アルゴリズム的な考え方を意識する
- 物事を順序立てて考える習慣をつける
例えば、業務フローを見直す際、現在の課題を細かく分解し、最適な手順を考えることが有効です。これにより、より合理的な業務プロセスの設計が可能になります。
まとめ
アルゴリズムは、論理的思考力と問題解決力を養うための強力なツールです。論理的思考が苦手な人も、アルゴリズムを学ぶことで「問題を分解する力」「論理的に考える力」「効率的に処理する力」を身につけることができます。
DXを成功させるためには、まず「論理的に課題を整理し、解決策を考える力」を養うことが不可欠です。その第一歩として、アルゴリズムを意識的に活用してみてはいかがでしょうか?