
ITサポートとして多くの企業と接していると、「サラリーマンの仕事には理不尽が多い」と強く感じます。
「仕事」という名のもとに、生産性のない“仕事のための仕事”が、あまりに多すぎるのです。
もちろん、上司の指示である以上、従う必要がある場面もあります。
しかし、その指示は本当に必要でしょうか?重要性が疑わしい業務が、現場に積み重なっています。
組織が大きくなるほど、社内調整や段取り、根回しといった“内向きの仕事”が増えていきます。
さらに、行政手続き、親会社や取引先からの依頼など、外部要因で生まれる業務も後を絶ちません。
不要とは言いませんが、チェックのためのチェック、紙から紙への転記、承認のための資料づくり
…挙げればキリがありません。
改善したくても、あまりに積み重なりすぎて手が付けられない状況に陥っています。
■ こうして増殖する「誰も責任を取りたくない業務」
本質的には、「責任の所在」が曖昧なことに原因があります。
制度や規制ができると、安全側に寄せて運用され、チェック項目が増え続けます。
過去の決定の妥当性など検討されることもなく、ただ積み上がるだけ。自然に減ることはありません。
本来は一度立ち止まり、「妥当性」や「必要性」を見直すべきです。
しかし忙しさを理由に放置され、「現場の疲弊」「人員不足」ばかりが問題視されるという
的外れな議論が続きます。
結局、根本原因は放置されたまま。政治でも行政でも企業でも、同じ構造が起きています。
■ 正論だけでは動かない現実と、それでも必要な改革
理不尽を解消するには、誰かがメスを入れなければいけません。
しかし、そこには必ず利害があります。
正論パンチをぶつけても、面倒な調整に時間を奪われ、改善の芽が摘まれてしまう。
そんな現実が続いてきました。
とはいえ、嘆いてばかりでは何も変わりません。
最近は、SNSやネットの声が政治や行政を動かす時代にもなっています。
国民一人ひとりが声を上げることで、大きな岩が動く経験もありました。
停滞していた事柄が、意識の変化によって前へ動き始めた場面を私たちは見てきました。
企業の中でも同じことが言えるのではないでしょうか。
■ 「理不尽に気づき、声を上げる」ことが第一歩
理不尽を理不尽と言える環境。前向きな議論ができる職場。
こうした“民主性”が社内に芽生えれば、解決への糸口は確実に生まれます。
内容は抽象的だったかもしれませんが、まずは自分の仕事を客観的に振り返ってみてください。
実は不要な業務が潜んでいるかもしれません。
ひとつずつ見直し、ひとつずつ改善を進める。
その積み重ねこそが、働き方を根本から変える力になります。

