ビジネスにおける「需要と供給のバランス」
これは全てのビジネスの基本になります。

卵が先か鶏が先かの議論になりますが
どんなに良い技術や生産力があっても売れないと始まりません。
と言うことは「先ずは売り先を確保(需要側)」が最優先で
並行して「供給側の体制を構築(仕組み作り」の順になります。
言うは易しですが、これが一番難しいのがビジネスです。

「農業界DXモデル」についての事例です。

一般論的には「農業は儲からない」的なお話を伺います。
それは一生懸命育てた作物の値段は他人が決めて、気候変動にも影響を受け
常に外的リスクと闘っているるのが一般的な農業像です。

この農業の仕組みを変えた「農業DXモデル」の紹介です。
まちの総務でもお世話になっております。
「産直倶楽部株式会社」さんです。

会社名 産直倶楽部株式会社 イタリア野菜研究会
代 表 蓮沼 正(ハスヌマ マサシ)
住 所 〒373-0842 群馬県太田市細谷町1376

この会社の素晴らしい事業モデルを紹介します。

先ずは一番凄いのは代表の蓮沼さんの トラック 並みのパワーです。
自身でもトマト農園を営んでおりますが、就農前はトラック会社のバリバリの営業マン
トラック 並みの営業力を武器に、近隣のスーパーとの交渉を重ねて
見事に「産直野菜の専用売場(ワゴン)」の獲得に成功

特に産直野菜はスーパーの中でも人気商材、売上も安定しているそうで
ある店舗では「産直野菜は棚売上高トップをキープ」しているそうです
しかも、大手代理店を通さず直に「産直倶楽部」から卸すので
売値も生産者に決定権があります。

一見、どこにでもありそうなモデルですが、凄いのはここからです

需要側(スーパー)と供給側(生産者)とのWin−Winの環境は整いました。
需要側(スーパー)は売れる商材を手にする事ができました。

次は大きな規模の需要側(スーパー)としては、単一生産者規模では無く
多品種大量に扱う商材が必要になります。(実はここが一番難しい)
季節モノを扱う生産者では単一の一社や個人生産者で賄うには厳しいです。

ここが需要と供給のバランスの難しさ

そこで、代表の蓮沼さんは生産者で連合を組んで行くことで
「エコシステムモデル」を形成
農業生産者を順次口説き、生産体制を築いております。

生産者にすると、この類のうまいお話は多くあったでしょう
そこを粘り強く販売先を移行していただく交渉を進めて
一大、生産者軍団を作り上げて今があるそうです。

蓮沼さん曰く
「単に販売委託の会社で有れば生産者から信頼されないが
自らも生産者として生産する中で、同業からの信頼を受けたのが大きい」

と言っていたのが印象的でした。

これで、大口需要側(大型スーパーの他店舗展開)と広域供給者軍団(生産者)との繋げる「産直倶楽部株式会社」の誕生です。

もう一歩この「産直倶楽部」の凄い所は
あくまでも社長の蓮沼さんはトマト生産者です、自身の生業は生産収入です。
そうなると一人社長の「産直倶楽部」の売上は広報費や生産者還元に活用が出来ます。(好循環モデル形成)

ここが大手代理店にはマネが出来ない「農業DX」生産者ビジネスモデルです。
一般的には農業生産者のお悩みは大手出荷場に出すか、近隣の産直販売店(道の駅など)でしたが
「生産者が自ら値段を決める」出来そうで出来なかった
個人経営の農業生産者に新たな選択肢となっております。

今の目下のお悩みは「需要側が大きくなりすぎて、供給側が追いつかない」
これが大きな課題となっている様です。

生産者仲間を募集しているそうです。
自らも生産量を増やすための投資もしている様です。
間違いなく、まだまだ大きくなります。

この仕組みは「#まちの総務」もモデル事業の先生とさせていただいております。
今後ともよろしくお願いします。

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