新たなパワーワードが出現「リスキリング」
デジタル人材育成をベースとした「人材育成」をテーマにした様々なキーワードが乱立していますが、人材育成の本質は一緒

リスキリングとは人材戦略の一つで、コロナ禍により加速したDX化やデジタル化などに
対応すべく自社社員の能力を再開発し、時代に即したスキルを身につけさせて、新たな
仕事や職種に携わることを推進する取り組みです。

その中から何を学ぶかが重要で、そんなデジタル人材育成に関して場合分けしながら深堀して見ます。

前回は「デジタルサービス人材育成」として
①社内のOA担当スキルと②情シス担当スキルをサービス内容から分類しました。

「デジタルマネジメント育成」

今回はその中のより重要な「デジタルマネジメント育成」について掘り下げます。

「デジタルマネジメント育成」実はこの人材が圧倒的に足りなくて、外部に委ねる(外注)も難しく
Z世代と言われるデジタルネイティブの方々にも実は難しい分野になります。内容的には映画監督とか総合演出家、指揮者などにも共通します。

スキルとして求められる内容

  • 社内政治に精通して軋轢を避けて調整出来る
  • 一般的なデジタル知識(時代の潮流を読めるスキル)
  • 課題設定が出来て対応設計が出来る企画提案力
  • 人を巻き込む人脈スキル
  • 部署間の関係性を俯瞰で見られるスキル
  • 力強いネゴシエーションが出来るスキル

先ずこんなスーパーマンはいないでしょうが、やはり求められます。(逆に既にいたら社内改革は進んでいますが)理想はここにありますが、これでは現実的ではありません。

そこでいくつか省いて最重要項目を絞り混みます。
ここでは「経験知識」と「元からある素養」について分けます。

経験知識

  • 社内政治に精通して軋轢を避けて調整出来る
  • 一般的なデジタル知識(時代の潮流を読めるスキル)
  • 部署間の関係性を俯瞰で見られるスキル

・社内政治に精通して軋轢を避けて調整出来る

社内政治の調整力は経験でしか培っていかないですね、誰を味方に付けると事がスムーズに働くか。誰が予算権限や決定権者か(一版的には経営者と思われがちですが実は影の実力者大番頭がいる場合が多いです)そこにキチンと好かれて信頼をされてコミット出来るか、後にも先にもこれは最重要な
経験人脈でしかなし得ないスキルです。

・一般的なデジタル知識(時代の潮流を読めるスキル)

一般的なデジタルスキルは必要ですが、あくまでも専門家レベルの知識では無く製品選択判断が出来る、コスパや将来性を見抜ける知識レベルです。逆にこの分野の専門家レベルの方を腹心に持つのも有効です。

・部署間の関係性を俯瞰で見られるスキル

部署間の課題や関係性を俯瞰で見る知識です、これも一朝一夕では出来ずに経験や人脈から学ぶ(蓄積)するスキルです。いちOA担当では部署内や自分周りの課題認識は出来ても他部門との関係性や取引業社との関係性は見えないケースがあり、その結果個人的なExcel改善等でに部分最適よりになってしまうのが現在です。部門を跨ぐ事で、二重手間や根本課題が見えてそこからデジタル改善に再設計する事が可能になりDXとしての目標が見えて来ます。

素養

  • 課題設定が出来て対応設計が出来る企画提案力
  • 人を巻き込む人脈スキル
  • 強引なネゴシエーションが出来るスキル

・課題設定が出来て対応設計が出来る企画提案力

これは経験もありますが、素養的要素が強い部分です。宴会幹事や旅行コーディネートなどが得意な方、参加者の行動を設計し時間軸でどこで何を行いどんな結果を出すかそうして参加者(ユーザー)満足度も考慮出来る仕切り人です。要は皆が満足出来る「旅のしおり」が作れるスキルに近いと思います。

・人を巻き込む人脈スキル

このスキルも結構重要ですが、中々経験ではつきにくい素養的な要素強めです。いわゆるリーダーシップやキャプテンシーなどと言われるまとめ役ですね時には苦情を聞き、時にはなだめ時には強引に関係者を巻き込んで行くデジタル推進プロジェクト推進などでは絶対に必要な素養スキルになります。

・力強いネゴシエーションが出来るスキル

意外かもしれませんが、これも最後に入れました。DXやデジタル化は今ある仕事の置換では無く、デジタル化によるスリム化や合理化が目的です。時には利害関係者との軋轢や批判、反対意見も出て来ます。しかし、しっかりとした大義や目的意識を持って決めた内容は何があっても堅守する強引さとしなやかさは必要です。

老害やお局さんから嫌われる事もあるでしょう。多勢に無勢になる事もあるでしょう。そんな中でもやり切れるマインドとネゴシエーション(意固地はダメですが)は素養スキルに入ると思います。

まとめです。

ここまで見て頂くと、デジタル人材育成やDX人材のメインスキルはプログラム技術やデジタル技術だけでは無い事が理解していただけたかと思います。なによりも大事なのは、数多あるデジタル化製品活用というより社内の課題に対して俯瞰で見られて最適解を見出し関係者を巻き込んで行くスキルになると言うことです。

この様に表現すると、おじさん世代は元気がでませんか?

「デジタルは苦手だから若いデジタル世代に任せる」は間違っていません。しかしデジタル世代が出来るスキルと経験が生きるスキルとは明らかに差があります。この分類をしっかりと場合分けする事で、身に付けるスキル「リスキリング」内容が変わって来ます。

デジタル化技術は若者や専門家に任せ、経験や経営的戦略スキルは中堅層
この様に分けて考えていく事で良い方向が導き出せると確信します。

そうして足らない知識は外部に委ねる事でバランス良く進みます。そんな思いで形にしたのが「まちの総務のサービス」「企業向けデジタル推進サポートプログラム」です。

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最終章ではデジタル人材育成のもう一歩先の未来についてです。

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