今回は、ビジネスにおいて欠かせない「チームマネジメントの複雑性」に焦点を当てたいと思います。以前の経験から、大手企業での打合せでは多くのメンバーが参加し、薄い議論、無責任論、責任転嫁が事態を進展させなかった経験があります。この経験から大所帯の打合せには少しネガティブな印象を抱いています。

起業後、少数精鋭で外部メンバーも迎え入れ、サクサクとした動きを実感しています。しかしそれと同時に、異なる個性が集まると協調して進めるのが非常に困難な状況も発生しています。このような事例を具体的にお話しし、身近な問題としてお考えいただきたいと思います。

あるプロジェクトでは、場所や会社が異なるメンバーとの完全リモート対応が求められました。最初は特定のメンバーにマネジメントを委託しましたが、締切にも関わらず動き出さないといった課題に直面しました。このメンバーは自身のやり方やスケジュール感があるようでした。しかし、他のメンバーからは不安の声が上がり、「大丈夫?間に合うの?」や「間際になってバタバタは嫌だよ」といった声が聞こえました。

このような状況で、一部のメンバーが業を煮やし、問題の原因に切り込みました。その結果、そのメンバーは「コンセプトに迷っていた」との理由を明かしました。このような場合、イヤイヤではなく、問題や迷いも含めて率直に共有することがチームとマネジメントの鍵となります。

一声かけられたことでプロジェクトは動き出し、そのメンバーは事例を元に具体案を提示。皆のイメージも広がり、活発な意見や代案も次々と出されました。一方で、次第に意見は言うものの代案を出さないメンバーが現れ、「これはこうだ」「あれはああだ」と主張しつつも、具体的な提案がないという課題が浮き彫りになりました。

このメンバーは中々代案を出さず、もっともらしい評論だけが立派です。このような場面で、協調を意識して「あなたの代案は?」と問いかけても、代案が出されずにスケジュールだけが進んでいく状況が続きました。すると、結局はコンセプトや能書きは後回しで、「スケジュールを守れるか」が焦点になり、メンバー全員が妥協線に立ち入ることとなりました。

「チームで良い意見を集約して最高のものを作りあげよう」というのは理想的なアプローチですが、意見集約は非常に難しいものです。今回は個性ではなく、協調を意識して妥協点を見つける形で進めました。最終的にはスケジュールを順守することに成功しましたが、そのプロセスで協調と個々のメンバーの異なるアプローチが必要だったことを痛感しました。

次回からは協調性のないメンバーを排除するか、新たなチャンスを与えるかという難しい決断が迫られます。しかし、これも新たな学びの機会であり、再チャレンジすることでより良いチームを築く手助けになることを期待しています。

その「ひと言」でチームが変わる最高のフィードバック【電子書籍】[ 國武大紀 ]

-PR-