システムコンサルのポジションでは、お客様に対してさりげなく「何か課題はありますか?」と問いかけることがあります。しかし、お互いにあまり人間関係が築かれていない場合、「表層的な課題」は口にされることがありますが、実際のところ、真の課題は通常、別のレベルに存在していることがほとんどです。
ここでの誤解が生じると、これまでに多くの場面で異なる対応策や解決策が導かれてしまった経験があります。具体的な内容を問われると難しいですが、これは心理的な要素が関与している可能性が高いです。
課題そのものが自分で見失われていることもあります。極端な話をすると、「何かお困りの課題はありますか?」という問いかけに対する多くの回答が、自分でもどうにかしようと奮闘して「もがき苦しんでいた」結果、何が課題で何をすべきか迷子になってしまっているといった内容です。これは結構頻繁に起こる現象であり、ほとんどがこのような状態にあると言っても過言ではありません。
その結果、本人は「何が課題なのかよくわかっていない」と感じ、さまざまなバイアスが働き、「表面的な課題」になってしまいます。「こんな恥ずかしいことを聞いても良いのか」といった心理的な障壁も存在します。
こうした場合、質問者側はさらに深い洞察が必要ですが、これには時間と信頼関係が不可欠です。初対面の相手にはなかなか深い部分まで打ち明けることは難しいものです。
「課題はありますか?」という質問に対する答えは、見えている課題が実際の課題ではなく、見えている課題への対策が表層的なものでしかない場合があります。深層の課題を見つけ出し、目的とゴールを導き出し、結果にコミットすることが、「本当の意味での問題解決」に繋がります。
一見、人によって悩みや解決策が異なるように見えますが、経験から得た知見によれば、一定の法則が見え隠れしています。表現が難しい部分もありますが、「結局は楽をしたい」「誰かにやって欲しい(任せたい)」といった欲望が、解決の手がかりとなることがあります。
薄い分析で恐縮ですが、以上が一つのアプローチかもしれません。
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