一見すると非常に壮大なテーマに思えるかもしれませんが、お客様との接点から感じる課題を紹介します。

アナログが悪く、デジタルが良いと単純に言える話ではありません。中堅以上の40代や50代の経営層に対する相談の中で、「デジタルに後ろ向き」な方は減っていますが、本音の部分ではまだまだアナログ脳からの脱却が難しいと感じられます。これを横文字で表現すると「マインドセット」となります。

マインドセットは、経験や教育、先入観から生まれる思考パターンや、無意識の思考の癖・思い込みのことです。このマインドセットは表に出にくく、新しい方向に進む際にはかなりの障害となります。

例えば、打ち合わせなどでは「デジタル理解者のように」振る舞い前向きな印象を与えますが、深層部分では本音がなかなか表れず、最終的な判断に影響を与えることがあります。

こうした前向きな議論が結果に結びつかないケースが多くあり、それを「マインドセット」という言葉で理解できることがあります。

具体的な事例として、事務業務が忙しいお客様が、OAツールの活用には興味がありつつも、業務の進め方が超アナログで効率化が阻害されている状況がありました。

そこでデジタル施策のご相談があり、話はスムーズに進み、グループウエアも導入され、マニュアルなども整備されていると思われましたが、急にブレーキがかかりました。デジタル化の方向性は理解しつつも、「なぜ手間が増えて効率化できていないのか」「なぜ普段使わないマニュアルなどを整備しなくてはならないのか」がしっかり理解されておらず、ツールも揃って進んでいない状況でした。

これは単なる一社やお客様の事例ではなく、多くの企業や事業者が共通の課題として抱えている可能性があります。

問題の原因は、手間分の効果が見えないこと、つまり「目先の効果と波及効果」のイメージが湧かないことが挙げられます。

例えば、「マニュアル」の作成において、
「頭の中では必要だけれども今は必要ない」
「マニュアルを作る行為に慣れていないので工数が大きい」
「作っても使うイメージに繋がらないし、結局は口頭で説明する」
「評価されにくいお仕事」
といった本音の部分が影響しています。

このような「マインドセット」を変えていく手段はあるのでしょうか?

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