悪い言葉で言えば、「専門バカ」と表現されることがありますが、その道の専門家であるがゆえに、知識や経験が邪魔をして物事を深く難しく考えてしまうことがあります。

これは仕事を進める上で、かなりの頻度で見受けられます。知識や経験が豊富で真面目な性格ゆえに、ある課題を過大解釈して複雑に考え、解決策を見つけられなくなることがあります。

たとえば、会社内での経験が長く、ある案件についての課題があるが、利害関係者や複雑に絡む内容などから「解決策が見出せなくなっている」というような状況はございませんか?

色々と情報を知りすぎているがゆえに、さまざまな選択肢や調整内容が多く、より複雑化して問題を大きくし、結果的に何もできなくなることがあります。

これは企業や組織の中など、狭い世界ではよくある話かもしれませんが、打開策が見えないこともあります。本人や担当者からすれば、八方塞がりな状況に見えるかもしれません。

しかし、安心してください。一歩引いて見れば(第三者目線で)、他でも同様の悩みがあるか、または既に解決されていることもあります。

「あなたの悩みは、既に解決している誰かがいます」という視点からアドバイスさせていただきます。これはいわゆる「よそ者、若者、ばか者」論です。

こんがらがった状況を整理し、課題や問題点を明確にします。目的は何か、誰が困っているのか、それをなくす方法はないのか、シンプルにできないか、といった視点でヒアリングを行いながら課題を整理します。

その際には、関係者から全ての情報を引き出し、全てを聞きます。そして、重要なのは「問題点」です。問題点が多いほど、解決に向けたアプローチが明確になります。

例を挙げると、問題意識の強い人ほど、様々な問題を列挙します。しかし、それが本質とは少しズレており、過去に数度あった些細な問題まで「大問題だ」と言い出します。本人にとっては大事かもしれませんが、本質とは異なり、全体の影響がないこともあります。また、問題意識は強いが他力本願で当事者意識の低い人もいます。さらに、システムを少し理解しているだけで、エセシステム好きな人もいます。現実を見ずに理想論だけを提案する人もいます。

これらの問題点を上記のフィルターで濾過することで、本質的な課題だけが浮かび上がります。そうなれば、やるべきこととやらないことが明確になり、優先順位が付けられます。それが今、取り組むべき課題や考えるべきことです。

糸がほぐれ、シンプルになれば完璧です。上司はやるべきことを目標方針に落とし込み、指示を行い、後はスケジュールと担当者を決定し、実行するだけです。

一見、簡単に思えますが、これは当事者だけで考えても負のループに陥り、解決に至りません。近くに相談できる第三者が必要です(よそ者であり、かつ事例経験豊富な人)。ぜひご相談ください。