シリーズ「中小製造業のシステム部門化への道」についての第4回目の考察をお届けします。前回は「経営者や管理職側の目線」からデジタル変革の課題を見てきましたが、今回は「PC好きからIT担当者に抜擢された担当者の気持ちの変化」について探ります。

中小製造企業のDX化計画:④ PC好きからIT担当者に抜擢された担当者の気持ちの変化

今回は、個人的な経験も交えつつ、PC好きな社員がIT担当者に抜擢された際の心境の変化についてお話しします。

PCとの出会いと初期の疑問

まだ世にPCが存在しない1980年代でした。
当時私は日本の半導体が活況な時代にご縁がありメーカーの半導体部門に配属になり担当は半導体製造現場の工程管理と言う部門です、その中で日々発生する工程での測定データこれを女性社員が手書きで書き写し集めて来て、管理室の掲示板に手書きグラフにて管理をしていました。(今考えると牧歌的な平和な時代でした)

そんなサポートを行いながら疑問に思ったのは「手書きデータが何らかの仕組みで蓄積出来れば再活用できるのでは?」こんな発想からコンピュータに興味を持ったのが最初です。

プログラミングとの出会い

やりたい内容(目的)は明確です。目的に向かっての最短距離が「プログラムの勉強」でした。プログラムを基礎から学ぶと言うより、目的達成をする手段としてツールと言う感覚で積み上げて行きました。

時同じく並行してデジタル社会の始まりでPC時代に突入です。何と無く好奇心からPCに触れて来た身からすると、PCやデジタルは興味の対象でしかありません。会社の景気や上司に恵まれたこともあり、結構好き勝手にやらせてもらいました。

その結果、PC購入から設定、インフラ整備(通信、ファイルサーバー)趣味と実益(仕事)を兼ねて結構泳がせていただき、色々な経験値を積んで来ました。

一人情シスからIT部門へ

その後、一人情シスとしての経験を経て、好景気の半導体業界で「ヒト・モノ・カネ」が潤沢に回っていたこともあり、IT部門へと進化し、社内の生産管理プロジェクトも担当しました。外部のSlerとも関わりながらノウハウを学び、担当者からシステムエンジニア(SE)、システムマネージャーへとキャリアを積み上げてきました。

担当者の気持ちの変化と現状の課題

社内のIT担当者とはこんな興味から始まったにすぎないと言うお話しです。ここで少しだけ違うのは、私がたまたま大手企業で上司に恵まれ好き勝手に出来た事に他なりません。

その運の良かった環境と中小企業での担当と比較するのは酷であるのは事実ですが始まりはこんな様子から、次の分岐点で大きく違うのが現在と認識しています。

  • 会社や上司に恵まれ頑張りが認められて人
  • 会社や上司に恵まれず頑張りが認められない人

こんな構図になるのかもと感じます。そこでこれからの課題は「会社や上司に恵まれず頑張りが認められない人」をどう救済するか、どうマインドチェンジして進むか?この辺が本内容のテーマになるのかと思います。

次回は「中小製造業のデジタル化に関するギャップ(思惑の違い)」について考察します。