健康に恵まれたことに感謝しつつ、最近、ちょっとした検査のために「まちのお医者さん」を訪れました。歯医者にはたまに行きますが、その他の医療機関は久しぶりです。
そんな中で感じたのは、大きな病院は別としても、まちのクリニックではまだまだアナログ環境が主流で、デジタル化は進んでいないように見えるということです。比較的若い医師や患者が多い小児科などでは、徐々にデジタル化が進んでいる様子もありますが、高齢の医師や高齢患者が多いクリニックでは、デジタル化の話題が遠い存在に感じられます。
例えば、病院予約システムや診察前の手書き問診票など、多くのツールや事例が既に存在します。それにもかかわらず、なぜデジタル化が進まないのでしょうか?一度でも便利さを体験すれば、後戻りはできないはずです。
考えられる理由はいくつかあります。
- 高齢の利用者や提供者が多く、デジタル化が難しい。
- 病院も忙しすぎてデジタル化に手が回らない。
- デジタル化のコスト負担が大きい。
- 高齢の医院長がやり方を変えたがらない、もしくは興味がない。
- 医院長が、自身の現役時代の方法を守り続けたいと考えている。
これらを紐解いてみると、これはまちの医者の問題というよりも、中小企業が抱えるデジタル課題に似ているのではないでしょうか?
「まちの総務」的な発想がここで活きてきます。
まず、高齢化の問題ですが、これは社会的な課題であり、一見難しいように思えます。しかし、実はシンプルな解決策があるかもしれません。便利さが実感でき、自分にとって得になるならば、高齢者も自然とその方向に向かうでしょう。
例えば、マイナポイントの還元を受けるために登録を行ったり、孫の写真や動画を見るためにスマホを使うようになったりするケースがそうです。本当にデジタルが難しい方には、差別ではなく区別として、少し診療を待っていただくか、家族にサポートをお願いするなどの対応が考えられます。
高齢化を理由に進化を止めるのは、もったいないことです。デジタル化によって恩恵を受ける人が多いのですから、旧態依然とした方法に固執しない方が、確実に社会全体のためになります。
次に、改革意欲のない高齢の医院長の場合
これは心の問題であり、解決は難しいかもしれません。しかし、このようなケースでも、汎用性のあるシステムやサポート体制が充実していれば、導入のハードルは下がるでしょう。どの程度の費用やサポートが必要かについては確認していませんが、汎用性のあるシステムが大手プラットフォームとして提供され、各医院の効率化を支援することができれば、大きな助けになるでしょう。
最後に、患者が多く、医師が少ないという現実
患者が多く、医師が少ないという現実も無視できません。オンライン診療や調剤のAI化など、1つのクリニックだけで進めるのではなく、まち全体で取り組み、大きな広がりを見せることができればと思います。
「病気なのに長時間病院で待たされる拷問のような環境」を、デジタルの力で改善できることを願っています。