中小企業のデジタル化において、「ひとり情シス」が抱える課題は深刻です。限られた人員と予算の中で、多岐にわたる業務を担う情シス担当者の方々へ、経験と知見に基づいたアドバイスを送ります。

前回は、周囲の状況を把握し、解決策を見つけることの重要性について述べました。今回は、デジタル化が社内ヒエラルキーに与える影響と、その状況を活かす戦略について解説します。

社内ヒエラルキーを覆すデジタルの力

ヒエラルキーとは、組織における上下関係のことです。従来のピラミッド型の組織構造では、経験や年齢が上の社員が上位を占める傾向がありました。しかし、デジタル化の進展により、この構造は変化しつつあります。

デジタルネイティブ世代は、ITスキルが高く、新しい技術の導入に抵抗がありません。一方、ベテラン社員は、長年の経験と知識を持っていますが、デジタルツールへの苦手意識を抱いている場合もあります。

この両者の間に生まれるギャップは、組織の活性化を妨げる可能性があります。しかし、この状況を逆手に取り、互いの強みを活かすことで、組織全体の生産性を向上させることができます。

デジタルでフラットな組織を築く

デジタル化は、組織をフラット化し、より民主的な働き方を可能にします。経験豊富な上司は、デジタルネイティブな部下から新しい知識やスキルを学び、部下は上司の経験からビジネスの勘所を学ぶことができます。

お互いを尊重し、協力し合うことで、組織全体が成長し、より良い成果を上げることができます。

IT介護から脱却し、組織改革を牽引する

情シス担当者は、ITリテラシーの低い社員へのサポートに追われる「IT介護」に悩まされることがあります。しかし、この状況を嘆くのではなく、積極的に上司や同僚にデジタルツールの使い方を教え、組織全体のデジタル化を推進するリーダーシップを発揮しましょう。

まとめ

デジタル化は、組織のあり方を変えつつあります。情シス担当者は、この変化を恐れず、積極的に新しい技術を取り入れ、組織改革を牽引する存在となる必要があります。
次回は、上司との関係性を良好に築き、デジタル化を推進する方法について詳しく解説します。