
「まちの総務」と「年金」。一見、関係がなさそうに思える組み合わせですが
実は意外と親和性が高いテーマです。
「年金なんてまだ先の話」と感じている現役世代の方も多いと思いますが
特にサラリーマンにとっては“第二の人生設計”を考える上で避けて通れないテーマです。
先日、FP(ファイナンシャル・プランナー)の方とこの話題で意見交換する機会があり
とても示唆に富んでいたので、今回はその内容を共有したいと思います。
年金の基礎をざっくりおさらい
まず前提として、日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」を中心に構成されています。
- 国民年金:20歳以上60歳未満の全国民が加入する「基礎年金制度」。自営業者や学生、無職の人も対象です。
- 厚生年金:会社員や公務員などが加入する「被用者年金制度」。保険料は給与に応じて算出され、会社と本人が折半して支払います。
- 企業年金:企業が独自に設ける上乗せ制度。従業員の老後資金を補完します。
- 確定拠出年金(iDeCo):個人が自ら積み立てる制度で、税制上の優遇が受けられます。
つまり、「これまで支払ってきた保険料を、将来の生活を支える形で受け取る仕組み」
と考えればイメージしやすいでしょう。
繰上げ・繰下げ受給とは?
通常、年金の受給開始年齢は65歳ですが、実はこれを前倒し(繰上げ)したり遅らせる(繰下げ)ことができます。
FPの話によると、最近はこの「繰上げ・繰下げ受給」を選ぶ人が少しずつ増えているそうです。
それぞれには当然メリット・デメリットがあります。
- 繰上げ受給:早く受け取れる代わりに月々の受給額は減少。
- 繰下げ受給:遅らせるほど月々の受給額が増加。
つまり「どちらが得か」は、自分のライフスタイルと健康状態、そして人生観によって変わります。
「まちの総務」的判断:繰上げ受給一択
結論から言えば、「まちの総務」的には「繰上げ受給一択」です。
しかも、可能であれば60歳になったら即スタートをおすすめします。
なぜか?
理由はシンプルです。
「元気なうちに使ってこそ、人生は豊かになる」
多くの人は「老後の不安」を理由に受給を遅らせようとしますが
健康で活動的な時間こそが人生の“使える資源”です。
FPの方もこう言っていました。
「健康寿命と生活費を年齢軸でグラフ化してみると
60代をピークに確実に下り坂を描きます」
つまり、お金があっても体が動かなければ意味がないということです。
減額分は「早めの投資」で取り戻す
「繰上げ受給は損をするのでは?」という声もよく聞きます。
しかし、減額された分は「早めの投資戦略」で十分に取り戻すことができます。
特に、インデックス投資などの安定運用を組み合わせれば、長期的にはプラスになる可能性が高いのです。
要は、「貯める」ではなく「活かす」発想に切り替えること。
健康で行動力のあるうちに、お金を人生を楽しむために使う。それが「まちの総務的」ライフデザインです。
残りの人生を“楽しむ設計”に変える
私が今回のFP相談で印象的だったのは、「残りの人生チャートを描く」という発想でした。
生活費のグラフは大きくは変わらない一方、健康曲線は年齢とともに確実に下がります。
ならば、「今が一番若い」という事実を受け入れ、
「今をどう生きるか」を中心に人生を設計すべきではないでしょうか。
退職金や預貯金を「減ることを恐れるお金」ではなく、
「心豊かな人生を創るためのお金」として活かす。
その意味でも、私は「年金の繰上げ受給+早めの投資」を強く推奨します。
まとめ:未来を守るより、「今」を活かす
人生100年時代とは言え、“健康に動ける時間”は有限です。
だからこそ、「将来に備える」よりも「今をどう使うか」を軸に考えるべきです。
「まちの総務」的結論はこうです。
💡 年金は繰上げがベスト。健康で動ける今こそ、人生の投資を始めよう。