2022年7月2日未明に起きた通信大手KDDI(au)の大規模通信障害は4日夕になってようやく音声通話とデータ通信が「ほぼ回復」した。
KDDI HPより引用
かなり大規模な通信障害ニュースを受けて私自身も規模は違えど、インフラの管理を行なっていた関係上他人事と言うよりは担当者目線で「大変な出来事で気の毒」と思った次第です。
もちろん被害を受けたのはユーザーなのは間違いないですが提供側もかなり対応疲弊したのは間違い無いですね。
通信は今や水や電気と同じくらい重要な生活インフラです。この生活インフラが途絶えた場合のリスクは計り知れません。単なる情報としてでは無く、生命にも関わってくる場合もあります。
このようなリスク管理を企業1社に委ねて良いのか?もっと言うと、機械ものである以上故障や人的ミスはつきものです。そんな時にどうリスクヘッジを行うかが今後の課題になりますね。
通信事業者と言いますと大手4社の独占事業です。一部、企業間乗り入れもあるようですが、殆どが自社回線網を使用しています。それぞれに携わる関係者(インフラエンジニア)も数万人規模でしょう。
機材は日々老朽化していきます、都度交換作業と言うか人的作業が存在します。もちろん助長化(並列化)しているでしょうしマニュアルも整備されているでしょう。
しかし、それが数百人レベルの通信量位で有れば影響も少ないでしょうが数千万以上の大量のデータが日々毎時毎分毎秒流通しているわけです。
少し考えて見て下さい。
田舎の電車駅で有れば多少の遅延はすぐに取り戻せますが都内などの大型駅で有れば、数分の遅延は大問題です。駅の改札口の改札機が故障したと想定します、故障を知らない後続者が改札機の前に溜まります、どんどんどんどん溢れかえり大渋滞します。
担当者は一生懸命に機械を直します、その際にもお客様からは苦情の嵐、数時間後に復旧したとして、今度は大渋滞した人が改札口に集中します。通常の稼働よりもオーバーヒート状態で、それでもさばける流量は決まっています。人流が元に戻るのはどの位時間がかかるかは想像出来ると思います。
こんな時はどうするべきか?これがリスクヘッジです。交通網で有れば、代替手段としての振替輸送ですよね。バス、タクシー、他交通網で連携です。
情報の場合はどうでしょうか?
1社の責任は1社の責任だけなのでしょうか?こんな時に回線網の代替(輸送)は出来ないのでしょうか?
今後の情報化社会を見据えた場合、1社独占リスクは人命にも影響します。これは企業間の問題は無さそうです、国の旗振りも必要です。そうする事で、今回のトラブル対応で尽力なされたインフラエンジニアの方々のプレッシャーも軽減出来ると思います。
ユーザー目線と言うよりは、提供側目線と言う内容になりましたがどんなに技術やAIが進化しても、機械ものや人的ミスは起こります起こる事を前提とした対策を暖かく見守って行きたいですね。
今回のトラブルで多くに批判を受けていますがインフラエンジニアは平時は評価されず、異常時に叩かれる本当に大変なお仕事かと思います。
是非、安心して眠れる日が来る事をご祈念申し上げます。
追加)それにしてもKDDI社長の記者会見見ましたが、技術畑の経営者なのか?説明や質疑の受け応えが明快でしたね。
今後もリスクヘッジに力を注いて欲しいと感じた次第です。
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