「報われないお仕事No.1」って?
社内IT管理者にとって、生産性を直接生むわけでもなく、誰から感謝されるわけでもない業務の代表格。それが「ソフトウェアライセンス管理」です。特にMicrosoft Office製品のライセンス管理は、多くの企業で「面倒くさくて報われない」業務の最上位に位置づけられているかもしれません。
メーカー側とユーザー側、それぞれの言い分
- メーカー(Microsoft)の主張
企業にとってExcelやWordは、業務を支える生命線。企業PCが社会インフラの一部と化している現在、正規ライセンスの購入・管理は当然の義務。「必要な分だけ支払い、アカウントを厳密に管理してください」というスタンスは揺るぎません。 - ユーザー(企業)の主張
「必要なライセンスは購入するけど、PCの入れ替えがあるからアカウントは使い回したい」ここで起こるのが、IT担当者にとって頭を悩ませる「アカウントの管理」という業務です。
IT担当者を苦しめるライセンス管理の現実
- ライセンス管理台帳の更新作業
誰がどのアカウントを使っているのか、入れ替え時に情報が更新されているのかを、常に正確に把握する必要があります。もし台帳に齟齬が発生すれば、その修正には多大な手間がかかります。 - 責任の所在問題
アカウントの不適切な利用が発生した場合、管理者と利用者の間で責任が不明確になることもしばしば。ここも課題の一つです。
クラウド型ライセンスの普及がもたらすメリットと課題
近年、Microsoft Officeは買取型からクラウド型(Microsoft 365)への移行が進んでいます。クラウド型は管理が容易で、最新版への対応もスムーズ。しかし、次のような問題も発生しています。
- 切り替えの過渡期問題
買取型ライセンスを使い切りながら、新しいPCや入れ替え時にはクラウド型に移行する「ソフトランディング」状態が続きます。この併用期間の管理は、非常に煩雑です。
ソフトウェア課金モデルの台頭と今後の展望
かつて高価だったPCも今では手頃になりましたが、代わりにソフトウェア費用(SaaS費用)が継続的に発生するビジネスモデルが主流となっています。この流れは、PC分野に限らず多くの業界に広がっています。
Microsoftの市場での優位性は依然として盤石ですが、Googleスプレッドシートなど他ツールへの移行は現実的には難しい企業が多いのも事実です。
終わりに
社内IT担当者を悩ませるライセンス管理の問題は、当面解消されそうにありません。しかし、この状況に革命的なアイデアや解決策が登場することを期待したいところです。
IT管理者の皆さん、今日も影のヒーローとして企業を支える業務、お疲れ様でございます!