業務を進めるうえで、重要だと分かっていながらも軽視されがちな業務のトップ3は以下の通りです。
- マニュアル作成
- 議事録作成
- 日報作成
前回は「マニュアル作成の極意」について解説しました。まだご覧になっていない方は、ぜひそちらを先にお読みください。
今回は「議事録作成の極意」について掘り下げます。
議事録とは? その目的とは?
まず、議事録の定義や目的について整理しておきましょう。
議事録とは
会議や打ち合わせで話し合われた議題、議論の内容、決定事項などを記録した文書です。通常、会議の開始時間や場所、出席者リスト、議題、議論の要点、決定事項、次回の会議予定などが含まれます。
このように、議事録は「後で参照するために重要な情報」をまとめた記録であり、単なる作業ではなく、業務の円滑な進行に不可欠なものです。
議事録に対する現場の意識
議事録作成に関して、現場では次のような意識を持つ人が多いのではないでしょうか?
- 重要だが、軽く見られている
- 比較的若手や新人が担当することが多い
- 作成が面倒で、数時間かけて書いている
- 国会答弁のように一言一句記録しようとしている
「必要だとは思うが、面倒な雑務」という認識が根底にあるのではないでしょうか?
確かに、議事録作成には雛形(テンプレート)が存在し、「議事録 雛形」と検索すれば多くのフォーマットが見つかります。しかし、最も重要なのは 「雛形」ではなく、会議に臨む意識 です。
議事録作成の極意
私自身の経験を踏まえ、議事録作成のポイントをまとめました。ぜひ実践してみてください。
- 議事録は会議主催者が責任を持って作成すべし
参加者任せにせず、主催者が議事録の作成・管理をリードすべきです - 会議前(案内時)に議題を明示すべし
事前にアジェンダを明確に提示することで、会議の進行がスムーズになります - 会議中は議題に沿ってコメントや決定事項をメモすべし
可能ならPCでリアルタイムに入力するのが理想です - 会議内容をリアルタイムで共有すべし
プロジェクターや共有ドキュメントを活用し、会議参加者と進行を共有しましょう - 議事録の構成要素を明確にすべし
開催日、出席者、議題、決定事項、次回のタスクなどを整理して記録する。
議事録作成に1時間以上かけるのはナンセンス
議事録作成に1時間以上かけていませんか?事前にアジェンダを作成し、その項目に沿って内容を整理するだけで、15分程度で議事録は完成できます。
その後、上長の承認を得て関係者に共有すれば、業務のスピードが飛躍的に向上します。
議事録の目的を見失わない
議事録の本質は「後で参照するための重要な記録」であり、一語一句を正確に残すことではありません。
- 録音して発言をすべて文字起こしするのは本質的ではない
- AIで文字起こしをしても、不要な情報が多く、整理に時間がかかる
効率的な議事録作成を意識することで、無駄な時間を削減し、業務の質を向上させることができます。
会議主催者の責務としての議事録作成
「議事録は雑務だから、新人や若手に任せる」という考えは誤りです。
議事録作成を雑務と捉えるのではなく、
- 「会議前の段取り」
- 「会議の進行」
- 「議事録の共有」
- 「決定事項の実行」
これらを 一連の業務として最適化する ことが、会議主催者の役割です。
議事録作成を単なる雑務ではなく、業務改善のための重要なプロセスと捉え、効率的に運用していきましょう。