
かつてSNS上で「ググれカス」という攻撃的な言葉が流行したことがありました。
このネットスラングは「(質問する前に)自分でGoogle検索しろ」という意味ですが、デジタルサポートを仕事にしていると、実際に「調べればすぐに分かることを人に聞く」人が少なくないと感じます。
特に企業内のIT担当者(いわゆる「ひとり情シス」)は、こうした対応に日々追われ、ストレスを感じることもあるでしょう。「またこの質問か…」と繰り返されるうちに、「ググれカス」と言いたくなる気持ちも理解できます。
では、「検索しない・検索できない人」にはどのような特徴があるのでしょうか?
検索が苦手な人の特徴
- 自分で調べるのが面倒
- 人に聞いたほうが早い
- 検索キーワードの選定ができない
- 検索結果の文章が読めない(情報を整理できない)
- 緊急性を理由に他者に対応を求める
これらの要素に共通するのは「依存型」であることです。特に「検索キーワードの選定ができない」点に注目してみましょう。
検索キーワードの選定ができない人の傾向
検索が得意な人からすると「なぜこれが調べられないのか?」と疑問に思うかもしれませんが、多くの人はトラブルの現状を客観的に把握できておらず、適切な言葉で説明することができません。
例えば、以下のような問い合わせがよくあります。
- 「PCの設定が何もしていないのに変わった」
- 「Edgeの同期が邪魔して画面が変わってしまった」
- 「〇〇が急に使えなくなった」
これでは受ける側は状況を正確に把握できず、対応に苦労します。
最低限、
- 「何が?」(どのソフト・機能・設定が)
- 「どうして?」(どの操作や環境変化が影響した可能性があるか)
- 「どうなった?」(どんなエラーメッセージが出ているか、どのような動作不良が発生しているか)
これらを整理するだけで、検索すれば解決策が見つかることが多いのです。しかし、検索が苦手な人はこの「状況を言語化する力」が不足しているケースが多いのです。
検索力と論理的思考
「何が?」「どうして?」「どうなった?」と分解する力は、単なるスキルではなく、「論理的思考能力」と「言語化能力」に関係しています。
この能力が低いと、
- 検索の仕方が分からない
- 検索しても適切な情報を見つけられない
- 検索結果を読んでも理解できない
といった問題が発生します。さらに、こうした人は相手の気持ちを考える「想像力」も不足している可能性があります。
どう対応するか?
では、このような人にはどのように対応すればよいのでしょうか?
- 本当に困るまで放っておく(自力で調べる習慣をつけさせる)
- 仕方なく面倒を見る(根気よく検索の仕方を教える)
特に、「検索した結果を読んでも理解できない」という人も一定数います。こうしたタイプは、忙しい上司などに多く見られ、「説明文を読むのが面倒」と逆ギレすることすらあります。
こうした状況は「IT介護」とも呼ばれています。
AIが解決する未来
近い将来、AIが画面上の情報を解析し、「この問題を解決して」と指示するだけで自動的に対応策を提示するようになるかもしれません。
さらに、過去の対応履歴をナレッジ化し、「PCトラブル自体がAIによって自動で解決される」時代も目前かもしれません。
次回は、さらに詳しく「検索できない人のもう一つの特徴」について掘り下げます。