
「社内のファイル共有、クラウド型とNAS型、どちらが適しているのか?」
まちの総務でサポートしておりますお客様(小規模事務所)からこんなご相談をいただきました。実は、同様のご質問は他の事務所からも複数寄せられており、多くの中小規模オフィスが悩んでいるテーマのようです。
今回はこの課題に対して、一定の方向性として「NAS型の導入」をおすすめする理由を、現場の視点から整理してご紹介いたします。
NAS導入をおすすめする理由とは?
結論から申し上げますと、「ファイル共有のためのストレージには、NAS(ネットワークアタッチドストレージ)型が適している」というのが私の見解です。
実際、アプリケーションや業務ツールの選定であれば「クラウド型一択」と断言できます。導入・管理のしやすさ、費用の平準化、アップデート対応など、クラウドの恩恵は多大です。
しかし、ファイル共有に限定した用途となると、話は少し変わってきます。
クラウド型のメリットと懸念点
たしかに近年、DropboxやGoogle Driveなどのクラウド型ストレージの価格は下がり、導入のハードルも低くなってきました。特に外出先やスマートフォンからのアクセスが必要なケースでは、クラウドは非常に便利です。
ただし、小規模事務所での用途が「社内でのファイル共有のみ」に限定される場合、毎月・毎年の利用料を支払い続けることに対するメリットが見出しにくいという声も多く聞かれます。データ容量が増えればコストも上がりますし、全社的な運用ルールの徹底も必要となります。
NASの進化とメリット
一方、近年のNAS製品は非常に進化しており、以下のようなメリットがあります。
- 導入コストが一度きり(買い切り)
- RAID構成によるデータの冗長性とバックアップ性
- 社内ネットワーク内で安定した高速アクセス
- クラウド不要のセキュアな環境
RAID(レイド)とは、複数のHDDを一体化して扱う仕組みで、万が一のHDD故障にも対応できる安心設計です。設定や初期構築に少し手間はかかりますが、一度セットアップしてしまえば、利用者は意識することなく、自分のPC内のフォルダのようにスムーズに扱えます。
NASとは?初心者向けにざっくり解説
NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークに接続して使用する外付けHDDのようなもので、複数のPCからアクセス可能な共有ストレージです。
イメージとしては、
- 外付けHDDにネットワーク機能を持たせた装置
- どのPCからでも共有フォルダにアクセス可能
- 設定次第でクラウド的な使い方も可能(リモートアクセスなど)
というもの。つまり、社内だけで安全にファイルをやり取りするにはちょうど良い選択肢といえます。