世界的なトレンドは「EV」ですが、トヨタ自動車は「水素エンジン」も積極的に推進しています。世界的なトヨタだけに、何か特別な計画があるだろうと思っていましたが、「水素が普及するのかな」という疑問もありました。
しかし、さすがは世界のトヨタです。水素自動車の未来に向けて大きな戦略を展開しています。特に、一般向けではなく商用車(配送トラック)分野に焦点を当て、単なるエンジン開発に留まらず、周辺のプラットフォームも含めたプロジェクトを推進しています。
その中で注目されるのが、「CJPT株式会社」の設立です。商用分野における脱炭素化への取り組みである「Commercial Japan Partnership」は、2021年4月にいすゞ自動車とトヨタ自動車によって立ち上げられました。この取り組みは、CASEの社会実装・普及を加速させ、輸送業が抱える課題の解決やカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指しています。
トヨタ社の公式HPによると、いすゞ自動車との共同開発で水素トラックの開発が進められています。高速道路上に水素ステーションを設置し、荷物配送に水素トラックを活用し、高速道路外では軽自動車(EV)を使用してラストワンマイル配送を行う予定です。
トヨタ社の公式HP
要するに、高速道路上では水素トラックが、一般道ではEV軽バンが配送に使用されます。高速道路上に配送拠点と水素ステーションを整備し、業界全体を巻き込んだ配送DXを目指しています。まずは「東京− 福島間の高速道路上」での運用試験が予定されています。
これは単なるエンジン提供に留まらず、利害関係者を巻き込んだ大規模な構想です。荷物配送会社が参加すれば、成功の可能性は高まります。高速道路上では無人運転も実現できるかもしれません。運送業界に革命が起こるかもしれないという期待が膨らんでいます。
このビジネスモデルは国内だけでなく、世界中に展開する可能性があります。すでに規制の緩い海外では導入が進んでいるニュースもあります。
「トヨタ タイの財閥大手と連携へ 水素製造や燃料電池車導入など」も、この動きの一部です。ものづくりニッポンの象徴であるトヨタ自動車が、サービス分野でも世界を驚かせることになるかもしれません。「荷物配送部門で世界を制覇できるか」という視点で、今後の展開を注視していきたいと思います。