日本のデジタル化の遅れは「デジタル人材育成に力を入れて来なかったからだ」と判を押したように叫ばれております。

国もデジタル庁をはじめデジタル田園都市構想、各企業や行政もデジタル人材の獲得や育成に力を入れております。少し違和感があるのは「DX推進部」などとDXを目的に部署化なども進んでいます。この辺はまさにゴールを曖昧にした、手段の目的化の典型例と感じるところでもあります。

「デジタル人材育成」に何を求めるか?

この辺について考えてみます。そもそも「デジタル人材」とは

デジタル人材とは、DXの推進を担う、多様な人材の総称です。エンジニアやデータサイエンティストだけがデジタル人材ではありません。DX推進に必要なスキルには、データサイエンスやエンジニアリングといった技術系スキルと、ビジネス系の「ビジネス・サービス設計」「組織・プロジェクト管理」のスキルがあります。

三菱総合研究所HPより引用

この説明の通り、非常の幅が広く「デジタル人材育成」や「デジタル化推進」と言葉ばかりがひとり歩きしてあまり中身や方向性に言及されておりません。

例をあげますと「まちの総務」として人材サポートもお手伝いしております。その中で企業様の要望は「自社のDXやデジタル化強化の人材サポートを出来る人を希望」と相談をいただきます。内容としては社内にこの分野(デジタル化やシステム関連)の専門家がいないから外部調達でサポートをお願いできませんか? この様なニーズです。

もちろん気持ちは分かります、技術が無いなら外に借りるは正しい判断ではあります。しかし、求めるスキルと金額には大きな乖離があります。

求める方は、デジタル化の専門家

  • デジタルと経営戦略の策定相談
  • 社内の課題解決法とシステム化提案
  • OA機器、デジタル機器の運用から管理
  • DX分析評価から導入サポート

とかなりの高いレベルを要求されます。

しかし、供給側といたしましては上記内容を網羅出来る人材が果たしてどれだけいるか?仮にいたとしてもかなりの高度な専門家で軽く3桁万円/月以上の人材になります。ここが埋まらないギャップです。嘆いていても始まらないので何か対応策を考えて行こうと思います。

デジタル人材を4種類に分類致します。(種類と役割)

  • プロデューサー:DX推進の主導
  • DXマネージャー:DXの企画・推進、関係者との調整
  • ビジネス・サービス担当:サービス業務の設計
  • システム技術担当:業務の実現、実装(プログラマーなど)
出所:三菱総合研究所

上記を見てお気付きかと思いますが「デジタル人材(DX)」と「IT人材」が混在しているのがお分かりですか?この辺が事を複雑にしている内容でもあります。

「デジタル人材」にはその技術を使い、企業に新しい価値を提供することが求められている。そのため、システムなどIT関連部門だけでなく、人事・企画・経営などさまざまな分野での活躍が期待されている。IT人材に求められているのはIT技術を活用し、情報システムを導入し運用することだ。そのため、IT人材にはシステム部門などでの活躍が期待されている。中小企業庁でもIT人材について“ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材のことをいう”と定義している。

HRpro(日本最大級の人事ポータル)サイトからの引用

内容を余計に複雑化してしまい恐縮ですが、ここをゴッチャにすると目的と手段が混同しますのであえて整理します。そこで冒頭の話題に戻します。

「デジタル人材育成」に何を求めるか?

デジタル人材に求めるのは、単にプログラマーを育成したいのでは無くて新しい価値を提供することが求められている。そのため、システムなどIT関連部門だけでなく、人事・企画・経営などさまざまな分野での活躍が期待されている。

GoogleやAmazonなどで活躍出来る様な人材を目指している?ウーン非常に難しい…そうなると、やはり今まで何も変えられなかったおじさん方には「一生懸命議論して期待するのは難しい」と言う事になりおじさんたちが集まって「DX推進」と声高く言えば言うほど虚無感に陥ります。

そうなると、次世代の幼児教育から若手の社員(Z世代)への期待しか進む道は無さそうです。X世代以前の方々には邪魔せずに応援したり、政治や行政的には応援のための規制緩和しか無いと思います。

デジタル化の教育とは何なのか?

では改めて「デジタル化教育」とはなんぞや?ですが個人的にはこの言葉にも違和感があります(違和感ばかりですいません)そもそもデジタル化教育とは「アナログ世代や考え方をデジタル脳に変革して行きましょう」でありX世代以前のアナログ世代の方々への教育を指しておりZ世代以降の方々は生まれた時からデジタルネイティブなので「今さらデジタル化って何」と言う感覚かと思います。

そもそもアナログ発想が生まれながらに無いので、デジタルとの対比方法を理解出来ません。逆を言いますとアナログ世代の方々を見て「なんでそんな面倒な事やっているの」この様な目線が正しいと思います。

まとめ

まだ明快な回答まで見出せずにモヤモヤしておりますが、少なくともZ世代以降の方々への教育は「デジタル化人材」と言うお題目では無くて「発想の転換」「グローバル基準の冷静な評価」この辺に尽きるのではと思います。

例が正しいかはわかりませんが。日本が混沌としていた平成の時代に隣の大国(中国やインドなど)は優秀な人材は海外に出て行きそこから学び、それを国内と言う枠では無く世界にインパクトを与えていると言う事実。

人口減少と高齢化が激しい日本国内だけにとらわれず、グローバル目線から日本を牽引して行ける人材教育が求められるのかと考えます。国内だけでワチャワチャする時代をこれからの世代に委ねては行けない気がします。まあこれも夢物語の能書きですが。

何はともあれおじさん方はこれからは過去の実績でマウントを取るのでは無く、人脈や経験を元に応援して行ける部分に力点(学ぶ)を置ければ良いですね。
応援団としての「日本国おじさん株式会社」を目指しましょう。

ーPRー