ISO国際標準が「オワコン」なのか?一部賛同する意見もあるが、実は中小企業にとって学ぶべき内容が多い。特に注目すべきは「組織運営」に関する部分である。

ISOは国際的な取引を行う企業において、管理指標をもとに自社の管理を最適化し、標準化していく考え方から始まった。これが大手企業から中小企業にも浸透し、大手企業との取引において必須の評価基準となってきた。

しかし、近年ではISOに対する価値観の変化が見られ、一部で形骸化しているとの見方もある。それでも、ISO国際標準には「色あせない部分」があり、特に組織運営においては重要な原則が示されている。

ISO国際標準の「色あせない部分」

特に重要な部分として「組織運営」です、ISOルール(QMS)的には「役割」と「責任」「権限」に当たる部分で

【ISO9001】5.3 組織の役割、責任及び権限
トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達され理解されることを確実にしなければならない。トップマネジメントは,次の事項に対して,責任及び権限を割り当てなければならない。

a)品質マネジメントシステムが,この規格の要求事項に適合することを確実にする。
b)プロセスが,意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。
c)品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び改善(10.1 参照)の機会を特にトップマネジメントに報告する。
d)組織全体にわたって,顧客重視を促進することを確実にする。
e)品質マネジメントシステムへの変更を計画し,実施する場合には,品質マネジメントシステムを完全に整っている状態 (integrity)に維持することを確実にする。

要約しますと

この規格では、組織のトップマネジメントが品質に関する責任と権限を持ち品質マネジメントシステムが要求事項に適合することを確認する役割を担います。トップマネジメントがリーダーシップを発揮する役割を果たします。

特に現代のフラットな企業文化においても、組織内での「責任と権限、役割」については明確に定義する必要がある。経営層や管理職が示す方向性に基づき、効率的な業務遂行や問題解決が可能となる。

例えば、経営層と管理職、あるいは上司と部下の期待値のずれが生じた場合、組織内での葛藤が発生することがある。これを避けるためには、職務分掌により各メンバーの担当範囲と権限を明確にし、組織全体の円滑な運営を図ることが重要である。

重要となる職務分掌

そんな時に重要なのがISO国際標準でいう所の
「5.3 組織の役割、責任及び権限」になり職務分掌になります。

職務分掌とは、組織内で各メンバーの担当範囲と権限を明確に定めることです。明確な役割分担により、効率的な業務遂行や問題解決が可能となります。組織全体の連携と目標達成に寄与します。

ChatGPTによる要約解説

社長や経営層であれば「ヒトモノカネ」の権限があり方向性を示唆。管理職は方向性を受けて「与えられたヒトモノカネ」の範囲で部下に指示、メンバーは指示された内容を遂行この様な流れを定義して「責任と権限」を明確にするのが役割です。

今一度「5.3 組織の役割、責任及び権限」について考えてみませんか?

組織内の葛藤や思い込みからくる問題を解決する手段として、ISO国際標準を再評価することが有益である。企業文化の見直しや組織の透明性向上につながり、問題の発生を防ぎ、円滑な業務遂行に寄与するでしょう。

「まちの総務」は、こうしたお悩みに対してサポートを提供しています。【ISO9001】5.3に基づく組織の役割、責任及び権限の整備は、あなたの組織においても新たな展開を生むかもしれません。お気軽にご相談ください。

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