近年、「人材不足」が深刻さを増しています。少子高齢化に伴い、働き手人口の減少が進む中、様々な対策が求められています。外国人人材の受け入れ(特定技能制度)、定年延長、リスキリング、リファラル採用(紹介採用や縁故採用)など、さまざまな施策が取られています。

最近注目されているのが「アルムナイ採用」という新たな採用手法です。初めて耳にする方も多いことでしょう。「アルムナイ」は英語で「alumni」と表記され、複数形で「卒業生、同窓生、校友」という意味です。人事領域では、これが転じて「企業を離職・退職した人の集まり」を指します。

具体的には、「アルムナイ採用」は、かつて自社を離れた従業員を再雇用する手法を指し、「カムバック制度」や「出戻り制度」とも呼ばれています。この採用手法の最大の特徴は、過去に自社の理念や目標を理解し、離職した経験を持つ人材が戻ってくる点です。

しかし、一度離職した経緯には様々な要因が考えられます。離職が自己の選択であったのか、あるいは企業の都合であったのかについては不透明な部分もあります。一般的な転職とは異なり、「前の会社が良かったから戻りましょう」という理由だけでなく、異なるシチュエーションも考えられます。

この制度の導入には、企業がどのような立場から採用を進めているのか、社員化を推奨しているのか、単なる人員補充としての派遣扱いなのか、また専門技術者としての特定技能者を求めているのかなど、謎が深まります。特に、個人(該当者)にとっては戻ることへの意味や価値についても考慮されるべきでしょう。

-PR-