最近の注目ニュースから2つの事例を取り上げます(2023年10月現在)。
・ある大手芸能プロダクションに関するニュース
・ある中古車メーカーの不正行為に関するニュース
これらのニュースは一見、軽薄なエンターテイメントワールドの出来事や単一企業の問題のように見えますが、よく掘り下げてみると、日本独特の課題が浮き彫りになり、歴史的な変化の可能性が示唆されています。
日本独特の課題である「忖度」が暗い影を落としています。
影響力の大きな芸能事務所は様々な問題を抱えながらも、その勢力に逆らうと人気スターの番組出演が制限され、番組制作側も混乱に陥ります。視聴率を気にする番組側やスポンサー、マスメディアは忖度の激しい戦いに巻き込まれ、異常な事態に至ります。
中古車販売店の不正行為も、大手保険会社を巻き込んだ大きな騒動に発展しました。本来ならば社会的責任を果たすべき大手保険会社も、競争が激化し忖度合戦に巻き込まれ、集客力のある中古車販売店と手を組んでしまいます。
権力を持つと、善も悪に変質する「忖度」の空気感。これは世界から見れば異常な事態でしょう。
ようやく事件の全容が明らかになり、国が注目するニュースになりました。少し前であれば、これらの問題は闇に埋もれたままかもしれませんでした。
一見、一企業の問題に過ぎないように見えますが、「問題解決」とはなりません。むしろ、他の企業でも同様の問題が浮き彫りにされるかもしれません。今回の事件は氷山の一角であり、他の企業でも同様の問題が表面化する可能性があります。
いずれにしても、「忖度」に完璧に対応する英語の訳語はないようです。これらの構造的な忖度が引き起こす不気味な事件がいつか解明される日が来るのでしょうか。