システム開発を進める際の検討事項についてお話しします。かつては「要件ニーズのある案件」に対して、オリジナルのシステム開発が一般的でした。つまり、必要なシステムがなければ一から開発するという方法です。

しかし、各社のシステム開発が進み、クラウド化や汎用APIの普及が進んだ現在、本当にオリジナルのシステム開発が必要なのでしょうか?

既存のシステムが充実している今、既にあるものを流用して代用できないか、という問いかけが重要です。

ケーススタディ:20年前のオリジナルシステム

ある企業からの相談です。その企業は約20年前に開発したオリジナルシステムを、バージョンアップや部分的な変更を繰り返しながら使用し続けていました。しかし、そろそろ新しいシステムに移行する必要があると感じています。

このような状況において、選択肢は次の2つです。

  1. 仕様を再構成し、現在の業務に合わせたリニューアル開発を行う
  2. オリジナルではなく、汎用品を利用して既存のものを代用する

従来の流れでは、①の外部Slerに開発を委託する方法が一般的でした。しかし、これからの未来を考えると、同じ手法を繰り返すべきでしょうか?

外注のリスクと自社開発の可能性

確かに、仕様を決定して外部に委託するのは比較的簡単です。しかし、外注費や自社ノウハウの流出、将来的には再び同じ問題に直面する可能性など、リスクも存在します。大企業なら潤沢な予算で外注も可能ですが、中小企業の場合、汎用製品の組み合わせで対応できる場合が多いと感じます。

ここで重要なのは、「システムをそのまま外部に丸投げして良いのか?」という問いです。デジタルだから、システムだから、難しいから、わからないから外注、という発想を捨て、自社の業務を理解している社内の人たちが効率化のために何を使えば良いのか、既存の汎用的な仕組みを流用できないかを考えることが大切です。

アプリの民主化と社内ノウハウの強化

このような思考に変革できれば理想的です。言葉で言うのは簡単ですが、デジタル化やアプリの民主化が進んだ現在、少しずつマインドチェンジしていくことが求められます。

属人化と継承制をテーマに、数年をかけて体制作りを進めていきましょう。「まちの総務」では、そうしたお手伝いをさせていただきます。