DXに関する情報を収集し、ブログでまとめる中で、いくつかの「解」が見えてきたので共有します。
前回のブログでは「ISOで求める責任と権限が明確で、役割が本当に機能しているか?」というテーマについて考えました。
マネジメントシステムに頼りすぎて過剰管理がされていないか?
今回は少し逆説的に「マネジメントシステムに頼りすぎて過剰管理がされていないか?」について考えてみたいと思います。
ISO国際標準の取得は、1990年頃から大手企業をはじめ、中小製造業まで多くの企業がこぞって取り組んできた「一大ムーブメント」です。最近では、1巡目・2巡目を経てあまり話題に上らなくなり、一定の落ち着きを見せている証拠とも言えます。
ISO国際標準の導入当初、日本企業は「企業独自のローカルルール」で事業を行っていました。ISO導入に際して「国際標準にマッチするのか?」と懐疑的な目線からスタートしたのが現実でした。私も前職で担当していた際に「古参の現場監督者」から多くの反発を受けたことを思い出します。しかし、結果的には管理の標準化が進み、「独自ルールの不透明さ」が明確になり、第三者にもわかりやすい管理が導入できたと感じています。
その結果、エビデンスの残存や履歴管理(情報管理)の重要性が理解され、「デジタル管理」が進んだのも事実です。
ここまでを整理すると以下のようになります:
- 過去の慣習(独自ルール)を脱却し、国際ルールに移行。
- データの重要性を理解し、デジタル化が加速。
- 多くのコンピュータシステムやPCでの業務が飛躍的に増大。
- 管理するための大量のデータが残る仕組みが量産。
現状を確認したところで、次のアクションとしてのDXを考えます。
データを残すことを目的としてしまい、多くの仕組み(システム化)が進んでいる現状を見直す必要があります。次の問いかけは「ISOマネジメントシステムに頼りすぎて過剰反応になっていませんか?」です。
データ取得が目的になっていませんか?
端的に言いますと、「データ取得が目的になっていませんか?」です。データを分析したり、取得を見直したりする第二フェーズに入っていますか?ISO取得から20年経過したと仮定すると、大量のデータが蓄積されていますが、それらは単なるデータとして保管されているだけですか?何かに利用されていますか?
こんな目線で見直しをかけてみてください。データの文書管理には「何かあった時の保険」としての要素も強いですが、そのためだけに大量のデータ(保管庫)が排出されています。
次のアクションは、ビッグデータを活用して分析を進めることです
- その業務自体を廃止できないか?
- 紙の情報から電子データに移行できないか?
- データ量を減らせないか?
- 二次活用できないか?
これらの議論を進めていくことが、ここでの提案事項です。
これからの進め方は「管理するための大量のデータが残る仕組みの見直し」です。データ取得を量産する仕組みが「デジタル化」であり、その結果、量産されたデータを見直し(最適化)するのが「DX」の活動です。何かヒントになりましたでしょうか?