中小企業におけるデジタル化の課題は年々増していますが、特に「ひとり情シス」による限られた人員と予算の中で対応を迫られている現場は少なくありません。私自身、多くの現場を見てきた経験から、このシリーズで「ひとり情シスを救いたい」をテーマに、実際の現場で役立つアドバイスや応援メッセージをお伝えしていきます。
前回の記事では、「目先のオリジナルシステム開発より、汎用品への適応を目指すべき」とし、限られた予算やリソースを考慮したIT戦略の方向性を提案しました。今回も引き続き、このテーマに関連する内容を掘り下げていきます。
複雑な課題は大きな枠で考える前に、まずは部品ごとに分解を
過去に作り上げた社内システムの再構築は、多くの企業にとって頭の痛い問題です。特に、システムが長年の改修によって複雑化し、俗に言う「スパゲッティ状態」になっている場合、再設計が必要になることも多々あります。しかし、現場ではそれが理解されないケースが多く、無理にシステムを維持しようとしてトラブルに陥ることもしばしばです。
本来ならば、一から再構築する方が簡単な場合もありますが、現実的にはそうもいきません。そこでお勧めするのは、「システムを部品に分解して考える」ことです。大きな課題を小さく分けて捉えることで、見えてくる解決策が増えてきます。
シンプルなアプローチで過去のシステムから脱却する
システム開発において重要な考え方の一つは、どんな大きな仕組みでも、基本は「入力-処理-出力」の繰り返しだということです。これを部品ごとに分解し、それぞれの機能を汎用品に置き換えることで、よりシンプルな設計を目指すことが可能になります。
例えば、
・Excelで作成していた帳票をKintoneに取り込む
・Kintoneで生成したデータを他の汎用システムに連携
・Kintone上では履歴データとして保存する
といった具体的な例が挙げられます。このように、各機能を分けて考え、その連携部分のみを最適化していくことで、過去のシステムの制約から解放されることが期待できます。
システム改修の具体的な進め方については、ぜひご相談ください。