デジタル時代における変化を推進する中で、否定的な態度を示す人々への対応は避けられない課題です。過去の記事では、こうした否定的な態度を「老害」と表現しましたが、これは不適切であり、再考が必要と感じました。今回は、このテーマについて改めて整理し、否定的な立場や行動をどう受け止めるべきかを探ります。


デジタル否定派と「老害」は別物

前回の記事では、「デジタル時代を否定する人々=老害」として一括りにしてしまいましたが、これは大きな誤りでした。高齢者の中にも前向きにデジタル化を推進する方がいる一方で、若い世代にもデジタルに対して懐疑的な人々は存在します。つまり、否定的な態度は世代によるものではなく、個人の性格や思考の問題として捉えるべきです。


否定から入る人の特徴

否定的な態度を示す人々について考える際、特にデジタル化の議論において目立つ特徴を以下に挙げます。

  • 自分の領域に閉じこもる
    「自分の部署には問題ないから不要」といった、自分中心の視点に囚われがちです。
  • 現状維持への固執
    現状に満足し、新しい変化や将来の課題に対して関心を示さない傾向があります。
  • 柔軟性や想像力の欠如
    自分が経験していない未来や新たな状況を想像する力が弱い場合、他者の提案を受け入れにくくなります。

否定的な態度の背景を理解する

なぜ彼らは否定的な態度を示すのか?いくつかの理由が考えられます。

  • 未知への恐れ
    新しい技術や考え方が、自分の価値観や経験を脅かすと感じる場合。
  • 自己防衛本能
    変化が自分のポジションや役割を揺るがす可能性を恐れている。
  • 視野の狭さ
    自分の周囲5メートルの出来事以外に興味を持たない。

否定派の行動パターン

興味深いのは、否定派の中には時代が進んだ後、あたかも否定的な態度がなかったかのように変化を受け入れる人も多いことです。

具体例

  • クラウドの導入に対する拒否反応
    「大事な情報を外に出せるわけがない」と強く反対していた人々が、今では平然とクラウドを活用。
  • 電子メールの導入への反発
    「仕事でメールなんて使えない」と言っていた人が、数年後にはメールが主流の業務スタイルに。
  • 無線LANの悪影響
    「無線LANは計測器に悪影響与えるので工場での使用は持ってのほか」と言う上司様々な実験(事例)データを駆使して説得も及ばす…数年後何事も無かったように普通のインフラに…携帯電話が禁止の病院などもこれに当たります。
  • マイナンバー制度
    今で言えばデジタル庁の活動やマイナンバー制度などに否定的な方も多いです。SNSなどを見ていると顕著です。賛成派の意見を陰謀論と唱えて否定する方もいます。

想像力と未来思考の重要性

最終的には、否定的な態度は「想像力の欠如」に起因するのではないかと感じます。想像力とは、自分が経験していない状況や未来を思い描く力です。この力を働かせることで、新しい変化を受け入れる柔軟性が生まれます。


否定的な意見とどう向き合うべきか

否定的な意見がすべて悪いわけではありません。一部の否定的な視点は、新しいアイデアや計画に対する重要なブレーキとなり得ます。しかし、建設的な議論を妨げるだけの否定には、スルーする勇気も必要です。


結論として、小さな声でこう叫びたいと思います。
「個人の意見は尊重しますが、未来を見据えた想像力を持ち、一緒に考え進んでいきましょう。」

否定から入る人との向き合い方においても、冷静な視点と柔軟な対応が求められる時代です。