
デジタル社会の進展に伴い、企業におけるセキュリティ管理の重要性がますます高まっています。特に、自動車関連事業者が多い地域では、情報セキュリティ対策に対する各企業の関心が非常に強く、厳格な管理が求められています。
弊社もこれまでに多くの情報セキュリティ関連の業務に携わってきた経験があり、その知見を活かして今回のテーマを考察していきます。
情報セキュリティポリシーとマネジメントシステム
「情報セキュリティポリシー」と聞くと、非常に大掛かりで難解なもののように感じられます。しかし、ISO国際標準の「マネジメントシステム」と同様に、企業が組織的に行動し、円滑なプロセスを確保しながら、計画された成果を達成するための仕組みと捉えることができます。
マネジメントシステムは一般的に、計画(Plan)→実施(Do)→確認(Check)→改善(Act) というPDCAサイクルに基づいて運用されます。情報セキュリティポリシーも同様に、組織のルールや具体的な実施手段を定め、継続的な運用と改善を図るものです。
中小企業にとっての情報セキュリティポリシーの課題
特に自動車業界では、サプライチェーン全体がピラミッド型の構造になっており、上位企業からの要求がそのまま下位企業に流れる形になっています。昨今の情報セキュリティに関する厳格な要請に対し、中小企業の多くが対応に苦慮しているのが現状です。
情報セキュリティポリシーの策定は、本来であれば全企業が共通の基準を持ち、統一的に対応すべきものです。しかし、実際には各中小企業が独自に作成を求められ、リソースや知識不足から大きな負担となっています。特に、親会社や取引先からの強いプレッシャーを受けながら、どう対応すべきか悩む経営者も少なくありません。
「まちの総務」として考える情報セキュリティポリシーの策定
こうした課題に対し、「まちの総務」という視点から情報セキュリティポリシー策定の現実的なアプローチを考えてみます。
まず、情報セキュリティポリシーは一般的に以下の3つの階層で構成されます。
- 基本方針
- なぜ情報セキュリティが必要なのか
- どのような理念で情報セキュリティを推進するのか
- 顧客情報をどのように取り扱うのか
- 対策基準
- 具体的な情報セキュリティ対策の指針
- どのようなリスクに対し、どのような対策を講じるのか
- 実施手順
- 各対策基準に基づいた実施手順
- 社内での運用ルールと具体的な対策の詳細
このような構成に基づき、中小企業が過剰な負担を抱えることなく、自社の規模や業務に適したセキュリティ対策を策定することが重要です。
今後の展開
本シリーズでは、以下の視点から情報セキュリティポリシーの現状と課題、そして実践的なアプローチについて掘り下げていきます。
- 情報セキュリティポリシーの背景と現状認識
- 行政主導の過剰対応による現場の混乱
- 身の丈に合った情報セキュリティポリシーの策定
- 情報セキュリティポリシーの未来と今後の方向性
中小企業が無理なく取り組める情報セキュリティのあり方を、一緒に考えていきましょう。