
近年、SNSが選挙活動にも大きな影響を与えるようになりました。
過去のしがらみや複雑な背景を、良くも悪くも“白黒はっきりさせる”リトマス試験紙のような
存在になっています。
自由な発信の場である一方、不平不満の温床にもなり、炎上やはけ口として使われることもしばしば。
しかし今回扱いたいのは、SNS上の話ではありません。
もっとリアルで、表には出にくい。
そして根が深い「会社の中のグチや批判」についてです。
■「まちの総務」が集める声の多くは“課題”ではなく“グチ”?
会社という小さな政治空間には、階層ごとにさまざまな課題があります。
私の活動である「まちの総務」では、その課題を聞きながら解決策を
一緒に考える取り組みを続けています。
しかし、実際に話を聞いていると、課題や改善点よりも「グチ・不満・他人への批判」
のほうが圧倒的に多いのが実態です。
とくにお酒が入る場では、それが一気に噴出することも珍しくありません。
多くの場合、その矛先は「上司」や「社長」へ向かいます。
■人はいつの間にか“聖人君子”をリーダーに求めてしまう
「私はわかっているのに、上司はわかっていない」
こうした考えに、心当たりはありませんか?
サラリーマン・経営者の両方を経験した立場から見ると、こうした批判を口にする人の多くは
- 他人の評価には厳しく100点満点を求める
- 自己評価は甘く、他者からの評価は低い傾向にある
と感じています(あくまで私の肌感覚ですが)。
そして問いかけると、往々にして返ってくるのは責任転嫁です。
「だからみんなやる気をなくすんだ」
と言うものの
「で、あなたはどう行動していますか?」
と問うと、途端に言葉が止まります。
■会社の士気を下げる“やる気のある無能”
あなたの会社にもいませんか?
「私は分かっている」と言いながら、実は周囲に迷惑をかけている“やる気のある無能”。
一般的にこのタイプは、
- 判断を誤ったまま行動し、余計な業務を増やす
- 周囲に迷惑をかけていることに気づかない
といった特徴があると言われています。
そして、ほとんどの本人は自覚がありません。
■グチや批判は“映し鏡”であり“ブーメラン”
上司に対してグチや批判を言っているとしましょう。
しかしそれは、自分の持つ鏡に映った姿であり、実は部下や周りから同じことを言われている
可能性もあるのです。
負の思考は負の空気を呼び込み、周囲のやる気ある人まで巻き込んでしまいます。
そしてその負のエネルギーは、必ず自分に返ってきます。
つまり
文句を言う暇があるなら、自分が変わるしかない。
これが本質です。
■上司がダメなら「補う」「徳を積む」ほうがよっぽど現実的
「一生懸命やっているのに報われない」と嘆くより、
「心豊かに過ごす」「小さな徳を積む」ことのほうが、自分の未来を確実に良くします。
批判ばかりしていると、自分が“やる気のある無能”と同じ立場に堕ちてしまう。
そうならないためにも、自分を主語に行動を変えることが大切です。
他人は変えられません。しかし、自分は変えられます。
■グチを聞くたび、つい説教くさくアドバイスしてしまう私ですが…
私自身、グチを聞くとつい「因果応報」や「自己変革」の話をしてしまいます。
これが良いクセなのか悪いクセなのかはわかりませんが(笑)
もちろん、たまにグチってスッキリするのは悪いことではありません。
ただし、グチだけでは何も変わりません。
言葉にしたグチは、必ずブーメランになって自分に返ってくる。
そう理解しておくだけで、少し心が軽くなるはずです。
少しだけ前向きになれましたか?
あなた自身が変われば、周りの景色も必ず変わっていきます。

