
最近、私の周りでも問い合わせが増えているキーワードが「RPA(Robotic Process Automation)」です。
さまざまなメーカーが製品を出しており、代理店からも次のような売り文句でアプローチされています。
「その業務、自動化できます!」
「誰でも簡単に設定できます!」
「補助金の対象にもなるので、お得に導入できます!」
一見すると魔法のような言葉ですが、ここには注意すべき点があります。
そもそもRPAとは、ホワイトカラーの定型業務をソフトウェアロボットが代行・自動化する仕組みです。
Excelだけで完結する作業なら、マクロで自動化できますが
RPAは複数のアプリやWebシステムをまたぐ処理も可能。
しかも、プログラミング不要で操作内容を記録して組み立てていける。
まさに「業務自動化の救世主」と言いたくなる技術です。
ただし問題はここからです。
「誰でも簡単に」という言葉が危険な落とし穴
担当者が業務フローを理解していれば、確かに初期の設定はできるでしょう。
ところが…
元データ、整理されていますか?
手作業で補正しなければ使えないようなデータを扱っている場合
RPA導入は一気に難易度が跳ね上がります。
- 判断基準が属人化している
- 入力ルールが統一されていない
- Excelのフォーマットがバラバラ
- 人間が曖昧な判断で補正している
こうした状況では、RPAは対応しきれず、結果として
「導入したけど使えない」「むしろ面倒になった」
といった事態を招きます。
RPAは万能ではありません。
定型化されたデータ処理は得意ですが、無秩序なデータから判断して自動処理するには
高度な設計が必要です。
例えば、事業所ごとにフォーマットが違う売上データを統合処理する
人間なら判断と工夫で解決できても、ロボットはそうはいきません。
ではどうするか?
まずは「データの上流」を整えること
- フォーマットの統一(縦横集計ルールなど)
- 重複や名称揺れ(全角・半角、表記ゆれ)の整理
- 不要データの削除
この段階をクリアすれば、RPAは本領を発揮します。
しかし、ここにはデータの知識と経験が必要です。
まさに専門家の出番というわけです。
多くの企業はこの準備を軽視し「RPAって意外と使えないよね」と
誤った結論に至ってしまいます。
営業担当の「誰でも簡単」トークを信じてしまった結果、
今日もどこかで犠牲者が増えているのかもしれません。
誰も悪くない。ただ知識が不足していただけなのです。
RPAの可能性は非常に大きい。
だからこそ誤解せず、正しく導入してほしい
これが現場を見てきた私からの、率直なメッセージです。
導入前のデータ整理など、お困りごとがあればぜひご相談ください。
「あなたの困ったは、すでに解決している誰かがいます」

