
「ひとり情シス」が心を守りながら働くための現実論
少し斜めからの視点になりますが、本稿は私自身を含め、これまで出会ってきた
多くのエンジニアやシステム担当者に共通する実感をもとにしています。
「システム担当は、少しネジが外れていないと務まらない」
一見すると悪口のように聞こえるかもしれませんが、これはむしろ称賛を込めた表現です。
ここで言う「ネジが外れている」とは、能力の問題ではなく、資質やスタンスの話です。
経験によってそうなったのか、生まれ持ったものなのかは分かりません。
ただ一つ確かなのは、まともな神経のままでは、システム担当が直面する荒波を
乗り越え続けるのは難しい、という現実です。
ケース1:真面目で几帳面な人ほど、追い込まれてしまう現場
社内で比較的真面目で几帳面な方が「システム担当」に抜擢されるケースは少なくありません。
その方は責任感から一生懸命に技術を学び、ユーザーからの要望にも誠実に対応します。
しかし、現実には技術だけでは解決できないトラブルが頻発します。
たとえば、Microsoft OS搭載PCで突然「メールが使えなくなった」という問い合わせ。
OSのバージョン違いなのか、セキュリティ設定か、ライセンスの問題か?
原因が特定できないまま、現場からは「まだ直らないの?」という催促が入ります。
試行錯誤を重ねてもすぐに解決できず、
「自分の実力不足ではないか」と必要以上に自責の念に駆られてしまう。
やがて些細なトラブルでも心が消耗し、自信を失ってしまう……
こうしたケースは決して珍しくありません。
ケース2:努力しても「報われない」システムリニューアルの現実
別のケースでは、ユーザーニーズを受けて
ノーコードツールを活用し既存システムを刷新。
時間と労力をかけて完成させ、導入説明会を迎えます。
しかし、ユーザーからは
「前はできていたこの機能は?」
「正直、使いにくい」
といった声が上がります。
ノーコードツールには当然ながら限界があります。
すべての要望に応えられない中で、本人の努力が正当に評価されず、心が折れてしまう。
これもまた、現場ではよく見かける光景です。
「少しネジが外れている」くらいが、ちょうどいい理由
こうした経験を積み重ねる中で、多くのシステム担当者は気づきます。
真面目すぎる、繊細すぎるままでは、この仕事は続けられないということに。
もちろん不真面目でいい、という話ではありません。
ただ、
「これは仕方ない」
「それは仕様(ルール)です」
と、ある程度割り切れる感覚は必要です。
多少のクレームや要望を「右から左へ聞き流せる」くらいの余裕がなければ
心が先に擦り切れてしまいます。
その状態を少し大げさに表現して「ネジが外れている」と言っているだけなのです。
心を守るための“適度な脱力”という処世術
無責任であってはいけませんが、すべてを真正面から受け止め続けるのも危険です。
数本くらいネジを緩めて対応しないと、気力も体力も持ちません。
大切なのは、良い塩梅。
自分を追い込みすぎず、少し距離を取りながら仕事と向き合うことです。
「まちの総務」が全国の「ひとり情シス」へ伝えたいこと
全国で孤軍奮闘している「ひとり情シス」の皆さん。
どうか、数本ネジを外すくらいの気持ちで進めてください。
一人で抱え込まず、心に余白を持ちながら、長く続けていきましょう。
「あなたの困ったは既に解決している誰かがいます」

