お客様先のシステムコンサルティングの中で、よくいただく質問の一つに、「kintone と Salesforce、どちらが適しているのか?」というものがあります。

これらは今注目されているノーコードツールの代表的な存在であり、その比較記事はインターネット上に多く存在します。より詳細な技術的な回答はそちらをご参照ください。ここでは、少し深く掘り下げて、製品の特性について考察します。

まずは、それぞれの製品の概要から説明します。
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供しているWebデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービスです。
一方、Salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供する統合CRMプラットフォームであり、世界中で15万社以上の企業が導入しています。特にSales Cloudは、世界的に有名なSFA(営業支援システム)として知られています。

世界的に見るとSalesforceが有名であり、国内ではkintoneがその地位を占めると考えられますが、これには公式な根拠はありません。どちらもノーコードツール開発のプラットフォームとして、長年の歴史と実績を持っています。

言い換えれば、「目的達成の手段」として見ると、大きな違いはありませんが、製品コンセプトやアプローチ方法には真逆の要素があることを解説します。

まずは、製品の位置づけから整理します。

  1. 業務の効率化にExcelを利用してVBAマクロを組んでシステム化するアプローチ
  2. システムエンジニアがプログラム開発を行いシステム化するアプローチ

これらの間に位置するのがkintoneとSalesforceです。そして、それぞれの製品アプローチは次の通りです。

  • Excel寄りのアプローチからノーコードツールに近づけたのがkintone
  • プログラム開発側からノーコードツールに近づけたのがSalesforce

具体的に言えば、

  • kintoneは、Excelを活用して作った仕組みをさらに便利に近づけるアプローチを取っています。
  • Salesforceは、専用のシステムを言語開発を行わずに構築できるアプローチを提供しています。

要するに、システムエンジニアを目指す人にはkintoneが適しており、既存のシステムエンジニアが開発効率を上げたい場合にはSalesforceが向いています。このようなアプローチの違いが特徴です。

総括すると、Excelマクロを使いこなし、さらなる成長を目指す方にはkintoneを、エンジニア志向の方や中堅以上の企業向けにはSalesforceをお勧めします。企業がデジタル環境を整えながらデジタル人材を育成していく中で、それぞれの製品が適しています。

最後に、重要な点を強調します。

どんなに簡単に使える「ノーコードツール」であっても、その利用は慎重に行う必要があります。あくまでこれらは技術的な敷居が低くなったツールであるという認識を持つことが重要です。システムを導入し、社内で活用するためには、基礎知識が必要です。そのような企業に対して、私たちは「デジタル推進サポートプログラム」を提供しています。一緒に、デジタル化環境の向上とデジタル人材の育成を進めましょう。