「まちの総務」を通じて多くの企業さまと関わる中で、「大きな変化を望まない空気感」を強く感じることが多々あります。すべての企業に当てはまるわけではありませんが、多くの企業で見受けられる現象です。
もちろん、事業を営む中で多少の課題は常に発生します。コロナ禍でも多くの企業が苦労したことでしょう。これらの課題は、長年の経験の中である程度可視化されているにもかかわらず、「大きな問題点とは捉えない」という雰囲気が広がっています。
「課題=課題ではあるが、大きな問題というほどでもない」という現状認識が一般的です。社内の誰もが課題を認識していても、「大改修までは…」といった考えや、「それは私の仕事ではない」、「今やるべき優先順位ではない」などの理由で、問題を先延ばしにする傾向が強いのです。特に、デジタル化やシステム関連では顕著に見られます。
これがDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない、または進めようとしない大きな要因となっています。この空気感は、中堅社員以上や経営層、経営者を含めた全体に広がっています。
この状況を見ている新入社員(Z世代)は、どのように感じるのでしょうか?このまま負の遺産を未来永劫引き継ぐのか、非常に悩ましい問題です。
さらに厄介なのは、このような空気感の企業でも業績がそこそこ良いため、無理に改革を行う必然性がないということです。「今やる必要があるのか?今のままでも大きな問題はないよね」といった声が上がり、「将来的には問題が出るかもしれないけど、今は先延ばしにしよう」となるのです。
これは特定の企業だけの話ではなく、多くの企業で再現される話です。やはりリスクを犯してまで改革を進めることを望んでいないのです。
これを「ゆとり世代」のせいにはしませんが、バブル時のイケイケの時代とは違う様子です。平和で安定が一番ですが、余裕のある時にこそ次世代に負の遺産を残さないよう、DXを進めていきたいものです。
気持ちに余裕のある時に、少しずつ進めていきましょう。「まちの総務」も応援させていただきます。