シリーズでお届けしている「中小製造業のシステム部門化への道」について、前回は「何にコストをかけるか」について解説しました。

中小製造企業のDX化計画:⑨具体的な進め方「何にコストをかけるか?」

IT担当者に求められる必須スキル

今回は、具体的な進め方編として「IT担当者に求められる必須スキル」について解説していきます。デジタル化やITの進む方向性として欠かせない「DX」の文脈から紐解きます。

DXに必要なスキル

DXは「デジタル(Digital)」「トランスフォーメーション(Transformation)」の略で、それぞれ以下のように理解できます。

D:デジタルスキル
デジタル技術のスキルです。このスキルを身につけるためには、まず「興味を持ってアンテナを立てる」ことが重要です。難しそうに見えるかもしれませんが、初めは表面的な理解でも構いません。しかし、年配の方が無理に自分で全部を学ぶのではなく、デジタルネイティブの若者と協力するのも一つの戦略です。苦手意識から逃げずに積極的に取り組むことが大切です。

X:変革力
変革力は課題解決力、問題意識、周りを巻き込む力(エンパワーメント)、やり切る力などです。一朝一夕で身につくものではありませんが、柔軟な思考が求められます。これを可能にするのは「社会経験、仕事知識、人間関係」の積み重ねです。

IT担当者に必要な力

IT担当者だからといって、特別なプログラミングスキルや高度な専門スキルがすぐに必要というわけではありません。これらの技術があればベストですが、まずは別の力が重要です。デジタル技術の知識に加え、変革力を持つことが求められます。

世代間の協力

デジタルが苦手な年配の方は、デジタルスキルを若者の力を借りて学び、逆に人脈や経験の少ない若者をサポートすることが理想です。男女問わず多様な視点を取り入れ、総力戦でIT戦略を進めていくことが重要です。

このようにして、戦略的なIT担当者を目指し、スキルアップを図りましょう。これが中小企業のDX成功の鍵となります。