DXに関する情報収集やブログをまとめるうちに、いくつかの「解」が見えてきましたので、共有します。
前回は「ISOから学ぶDX①:DX活動とISO国際標準の考え方の親和性」について書きました。
ISOにおける責任と権限の明確化と役割の機能性
今回はISOにおける責任と権限の明確化と役割の機能性についてです。品質マネジメント「ISO9001」を事例として取り上げます。
JIS Q 9001:2015 (ISO 9001:2015)要求事項 5.3 組織の役割,責任及び権限
トップマネジメントは、関連する役割に対して、責任及び権限が割り当てられ、組織内に伝達され、理解されることを確実にしなければなりません。トップマネジメントは、次の事項に対して、責任及び権限を割り当てなければなりません。
【出典】JIS Q9001:2015 (5.3組織の役割,責任及び権限)
要するに、「会社組織として適切な役割を明確にし、それぞれの責任と権限を明確にしましょう」ということです。逆に言えば、「誰が何をしなければならないか、何をしても良いのかを明確にしよう」ということです。私たちは「デジタルは苦手だから…」と逃げることなく、方針に沿って責任を全うしましょう、という内容です。
「責任(responsibility)」と「権限(authority)」
- 責任:「何か/誰かを扱ったり注意を払ったりする義務で、物事が悪い方向に進んだときに責められる可能性があること」
- 権限:「何かを行う力や権利」
これを解釈すると、「誰かに任せる」ということは「力と権力(責任と権限)」を与え、チェックすることになります。よく言う「船頭多くして船山に登る」ではないですが、無責任な人を多く集めて議論しても「机上の空論」に終わる可能性があります。方向性が決まった段階で「責任と権限」を明確にし、責任ある人が「無責任な行動や発言」を行わないようにレビューが重要です、という内容です。
これらはISOだけにとどまらず、社内改善やDX改革においても必要な要素です。