職場のITサポート業務に関するある出来事を取り上げます。近年、PCの導入台数が増加するにつれて、社内のITサポートメンバーの業務負荷も増大しています。
増加するPC関連の問い合わせ対応業務
「PC関連の問い合わせ対応業務」は、職場へのPC導入が進むにつれて避けられない業務です。特に、Windows 95が導入され始めた頃から、PCはビジネスツールとして急速に普及し、約30年が経過しました。その結果、PCを扱うユーザー数も爆発的に増えています。
しかし、ユーザー全体のITスキルが向上したかといえば、必ずしもそうではありません。むしろ、職場では「軽微なPCトラブル」が以前よりも増加している傾向があります。そして、それに伴い、IT担当者への「問い合わせ件数」も急増しています。
気軽な「ちょっといい?」が積み重なるストレス
ITサポートへの問い合わせ内容としては、
- 電源が入らない
- プリンターが接続できない
- Zoomの音が出ない
- パスワードを忘れた
といった基本的なトラブルが大半です。こうした問い合わせは、個々の社員にとっては「ちょっと聞いてみる」程度の気軽な行為です。しかし、対応するIT担当者にとっては、話が違います。
担当者が集中して取り組んでいる業務を中断させられると、対応後に再び集中力を取り戻すまでに少なくとも30分程度の時間を要します。これは個人差もあるでしょうが、多くの研究で集中力を回復するには一定の時間が必要だとされています。
仮に「5分程度」の問い合わせが1日に10件あると仮定すると、IT担当者の職務は何度も中断されることになります。この結果、合計で300分(5時間)もの時間が「集中力の回復」に費やされる計算になります。
対応策はないのか?
問い合わせをする側にとっては些細なことでも、対応する側にとっては積み重なるストレスです。こうした状況に対し、現場の担当者からは次のような声が聞かれます:
- 対応策はありません。各自の意識改革は期待できません
- 上司に相談しても、『バックオフィスはサービス業だからね』と言われるだけです
皆さんの職場では、このような課題に対して何か解決策を導入しているでしょうか?
解決の鍵は「ナレッジの可視化」にあり
実は、この問題に取り組むための効果的な方法があります。すでに他社で成果を上げている事例も少なくありません。そのヒントは、情報の「可視化」や「ナレッジ化」にあります。
次回のコラムでは、具体的な解決策について掘り下げていきます。ぜひご期待ください!