少々厳しい意見となりますが、多くの企業で共通の問題かもしれませんので、共有させていただきます。ある中堅企業の総務担当者からの相談事例です。

毎月の勤怠管理業務が非常に手間がかかるとのこと。具体的には、自社で受けている派遣社員の勤怠管理が課題で、その数十人分の処理に悩んでいる様子がうかがえます。お金が絡む業務ゆえに、慎重かつ大変な作業が必要ですよね。

具体的な業務の内容は以下の通りです。

  • 自社の勤怠管理システムからデータを引き抜き、Excelに転記
  • 派遣会社にFAXで確認
  • 差異がなければ請求書を送付

この手続きは数十年にわたり続けられており、その理由を問うと「たまに時間のズレがあるから」との回答がありました。また「どれくらいの頻度でズレが生じるのか?」との質問には「最近は少なくなったけど、数ヶ月に数回程度」との返答がありました。

ここで提案するべきは「その確認をやめることはできないのか?」です。

相談者は「ミスがあったら困るので確認しています」と述べていますが、この確認作業は本当に必要なのでしょうか?

勤怠管理システムが導入されているにもかかわらず、なぜ手間をかけてExcelに変換し、FAXで確認する手順を踏むのか。これは合理的な業務フローとは言えません。典型的な合理化案としては、FAX送付を廃止し、メールに変更することが挙げられますが、これではあまり面白味がありません。

そこで提案するのは

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の視点を取り入れて、業務をより一歩進めることです。確認の手順を見直し、本来の業務に集中するための変革が必要です。

まずは、確認処理において、なぜこの手順を踏むのかを整理しましょう。

確認の理由は

「過去に入力ミスがあり、それを無くすために行っている」
「最近は発生が少なく、数ヶ月に1度程度」

課題はここにあります。何百件もの処理の中で一つのミスを見つけるために毎回確認するのは非効率的です。本来の仕事は、ミスを見つけることではなく、ミスを未然に防ぐ方法を考えることです。

次回には、責任区分を明確にすることで、この方法論をよりシンプルに進めていきます。
「確認の手間を省くことで業務を合理化できますよね?」との問いかけには、「はい、可能です」との返答がありましたら、それを実行してみることを提案しましょう。

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