前回の記事では、お客様に相談で
「現在、社内の共有サーバーにNASを活用していますが?拡張を考えています選択肢も多く何を選んだら良いですか」
に対しての回答として
「現状ではオンプレミスのNASサーバー選択」とさせて下さい。と答えましたが、実の所は本意ではありません。
企業の担当者負担(精神的負担、物理的負担)を考慮した場合には絶対「クラウド推進」ではありますが。
ファイルサーバーに関して(だけは)まだ時期尚早なのかと思ってしまいます。
企業規模によってはクラウド選択が良い場合もありますが
今回の対象として100名前後の中小製造業に限っての回答です。その辺の理由を紐解きます。
100名前後の企業の場合、規模的にIT専門部署が微妙な規模で私が知る限り多くがIT担当者として兼任が多い印象です。
IT担当者(OA担当)としてキッティング作業があります。PC設置後に必ず必要となるのがメール環境、共有ファイル環境になります。
この「共有ファイル環境」と簡単に言いましたが、実はIT担当者の業務の中でもこの「共有ファイル環境」に整備が1番面倒で責任の重い業務になります。
利用者から見ると単にファイル書庫としてにインフラでしかありませんがPC通常業務で使う1番の高負荷状態の作業になります。利用者は管理者に気持ちは関係無く、単に無尽蔵なインフラと言う立ち位置です。
どんな大量のデータだろうと保存しておけばいつでも取り出せる…挙句の果てにはバックアップにもなるので後日使おうが使わないに限らずとりあえず保存何でもかんでも保存……データ容量が幾何学的に増えて行きます。
それでいて、ハードが故障したりファイルが無くなりでもしたら、運用責任者の責任です。これはインフラ管理者の宿命であり、IT担当者の泣き所でもあります。
社内ではたいした責任も権限も与えられずに、ただIT担当者というだけで「インフラ管理者」として評価も感謝も受けずに、日々トラブルとのプレッシャーと容量不足の不安に苛まれております。(これは担当でしか共感してもらえません)
挙句の果てには「容量不足」での追加投資での稟議書発行、個人的に力の入る仕事ではありません。
そんなこんなで、今流行りの「クラウド移行」これで運用責任を免れたいですがまだまだクラウドの容量対費用(コスパ面)では課題もあり上司からは「毎月こんなにかかるのか?」と問われ初期費用だけの運用費の安いオンプレミスタイプが選ばれると言うのが現状の流れです。
現在に無秩序状態のオンプレミスサーバーにはすでに数百ギガ…いや数テラのファイル群これをクラウドに置き換えたらいくらになるのだろう…
それであれば、一次費用が掛かっても数テラのNASあたりで茶を濁すのが1番コスパが良いです。バックアップ体制のRAID構成の数テラ製品でも10万円以内で買えます。
そこに任せておけば、コスパも運用面でも比較的安心して使えます。並列にして簡単に容量増やす(追加)事も可能です。
この辺から考えますと、まだまだクラウドでは対応出来ていない(有効な対抗馬が現れない)と言うのが本音の部分でしょう。
このような理由から、クラウド派の私自身ではありながらもファイルサーバーに関しては現段階ではオンプレミスが強いという判断になります。
今後のクラウドに期待する所ではありますが
現状の管理体制(無秩序)でのクラウド移行は無理な感じはします(キリが無いので)
では秩序を持った管理体制が築けるか?自身の中で整理がついたら改めて記事にします。